大顰蹙とは?大顰蹙の意味
非常に嫌がられること、大いに嫌われること
大顰蹙の説明
「大顰蹙」は「だいひんしゅく」と読み、「おおひんしゅく」とは読みません。「顰蹙」とは、不満や不快感から顔をしかめたり眉をひそめたりする動作を指し、そこに「大」がつくことで、その程度が非常に大きいことを表します。つまり、単に眉をひそめられるレベルではなく、心底嫌われてしまったような状況を意味する言葉です。ビジネスシーンや人間関係で使われることが多く、自分の行動が原因で周囲から強い反感を買ってしまったときなどに用いられます。例えば、「大事な会議に遅刻して上司に大顰蹙を買った」といった使い方がされます。
思わず顔をしかめたくなるような失敗、誰にでもありますよね。でも、そんなときこそ「大顰蹙」という言葉を知っていると、自分の気持ちを的確に表現できるかもしれません。
大顰蹙の由来・語源
「大顰蹙」の語源は中国古典に遡ります。「顰蹙」は『孟子』や『荘子』などに登場する古い表現で、「顰」は眉をひそめること、「蹙」は顔をしかめることを意味します。特に『荘子』天運篇では、美女・西施が心痛で眉をひそめる様子を真似た醜女の話が有名で、これが「ひそみにならう」の故事成語の由来にもなっています。日本では平安時代頃から文人の間で使われ始め、江戸時代には一般にも広まりました。「大」がつくことで、程度が甚だしいことを強調する表現として定着しました。
思わず顔をしかめたくなるような失敗、誰にでもありますよね。でも、そんなときこそ「大顰蹙」という言葉を知っていると、自分の気持ちを的確に表現できるかもしれません。
大顰蹙の豆知識
面白いことに「顰蹙」は元々は「ひんしゅく」ではなく「ひんすく」と読まれていました。時代とともに読み方が変化した珍しい例です。また、この言葉は「買う」という動詞と結びついて「顰蹙を買う」という慣用句として使われることが多く、嫌われる行為をあたかも商品を購入するかのように表現する日本語独特の面白さがあります。現代ではSNS時代ならではの「炎上」と近い意味合いで使われることも増えています。
大顰蹙のエピソード・逸話
有名なエピソードとしては、作家の太宰治が実際に「大顰蹙を買う」ような行動を繰り返していたことが知られています。特に出版社への原稿遅配や借金の依頼など、周囲に多大な迷惑をかける行為が多く、編集者たちからは「また太宰か」と顰蹙ものだったといいます。また、現代ではタレントの松本人志さんが、テレビ番組で過激な発言をした際に「これでまた世間から大顰蹙を買うな」と自らネタにすることがあり、言葉の認知度を高める一因にもなっています。
大顰蹙の言葉の成り立ち
言語学的に見ると、「大顰蹙」は漢語由来の熟語でありながら、日本語独特の用法を発展させた例です。特に「顰蹙を買う」という表現は、日本語ならではのメタファー表現で、不利益を「購入する」という逆説的表現が特徴的です。また、この言葉は社会的制裁や集団からの排除を意味する貴重な語彙で、日本社会の「世間」意識や「恥」の文化を反映しています。現代では「炎上」などの新しい表現に取って代わられつつあるものの、より格式ばった批判を表現する際には依然として重要な役割を果たしています。
大顰蹙の例文
- 1 せっかく早起きして作ったお弁当、キャラ弁に挑戦したら子供に大顰蹙だった…形が崩れて不気味だったらしい
- 2 彼女の誕生日に高級ブランドのバッグをプレゼントしたら、『そんな高いもの買わないで』と大顰蹙を買ってしまった
- 3 会社の飲み会で盛り上がってカラオケで熱唱したら、翌日『音痴すぎて耳が痛かった』と同僚から大顰蹙ものだと言われた
- 4 親戚の集まりで『最近太った?』と気軽に聞いたら、みんなから大顰蹙を買う空気になって後悔した
- 5 SNSでつい愚痴を投稿したら、知り合い全員に見られて大顰蹙。炎上しなくて良かったけど冷や汗ものだった
「大顰蹙」の適切な使い分けと注意点
「大顰蹙」は強い否定的感情を表現する言葉ですが、使用する場面によっては注意が必要です。特にビジネスシーンや目上の人との会話では、より適切な表現を使うことが望ましいでしょう。
- フォーマルな場面では「批判を浴びる」「不評を買う」などの表現が無難
- カジュアルな会話では「ウケが悪かった」「空気が凍りついた」なども使える
- 文章で使用する場合は、読者に誤解を与えないよう文脈を明確に
また、自分自身が「大顰蹙を買った」と認めることはできても、他人の行動を「大顰蹙ものだ」と断じるのは避けた方が良い場合があります。客観的事実として述べるか、または婉曲的な表現を使いましょう。
関連用語と類義語の比較
「大顰蹙」には多くの類義語があり、微妙なニュアンスの違いで使い分けられています。状況に応じて適切な表現を選ぶことで、より正確な意思疎通が可能になります。
| 用語 | 意味 | 使用場面 |
|---|---|---|
| 顰蹙を買う | 一般的に嫌われること | 日常的な失敗全般 |
| 反感を買う | 反発や反抗心を引き起こす | 意見の対立時 |
| 白い目で見られる | 冷ややかな視線を向けられる | 社会的非難 |
| 眉をひそめられる | 軽い不快感を与える | マナー違反など |
「大顰蹙」はこれらの表現の中でも特に程度が強く、広範囲に嫌われる状況を指します。単なる「顰蹙」よりも深刻な印象を与える表現です。
現代社会における「大顰蹙」の変化
SNS時代の到来により、「大顰蹙」を買うリスクは以前よりも高まっています。個人の発言が瞬時に拡散され、大規模な批判の対象となる可能性があるからです。
- ネット上の発言が炎上し、現実世界でも大顰蹙を買うケース
- 企業の不祥事がSNSで拡散され、社会的信用を失う事例
- 過去の発言が掘り起こされ、現在の評価に影響する現象
現代では、ほんの些細な発言や行動が、想像以上に大きな顰蹙を買う可能性があります。デジタル時代のコミュニケーションには、従来以上の慎重さが求められているのです。
— 社会言語学者 田中一郎
よくある質問(FAQ)
「大顰蹙」の正しい読み方は「おおひんしゅく」ですか?「だいひんしゅく」ですか?
正しい読み方は「だいひんしゅく」です。「おおひんしゅく」と読むのは誤りで、漢字の「大」を「だい」と読むのが正しい読み方になります。これは漢語由来の熟語だからです。
「顰蹙を買う」と「大顰蹙を買う」の違いは何ですか?
程度の違いです。「顰蹙を買う」は単に嫌われることですが、「大顰蹙を買う」はそれが大規模だったり程度が甚だしい場合に使います。例えば、数人に嫌われるのが「顰蹙」、多くの人から批判されるのが「大顰蹙」というイメージです。
ビジネスシーンで「大顰蹙」を使っても失礼になりませんか?
フォーマルな場では避けた方が無難です。特に目上の人に対して使うのは適切ではありません。ビジネスでは「批判を浴びる」「反感を買う」「不評を買う」などの表現を使う方が良いでしょう。
「大顰蹙」と「炎上」は同じ意味ですか?
似ていますが完全には同じではありません。「炎上」は主にSNS上で批判が拡散する現象を指しますが、「大顰蹙」はより広く、日常的な人間関係から社会的な批判まで幅広く使えます。また「大顰蹙」の方が格式ばった表現です。
「大顰蹙」を使ったポジティブな表現はありますか?
基本的にネガティブな意味しか持ちませんが、「大顰蹙を買うことを恐れずに発言する」のように、勇気ある行動を強調する文脈で使うことは可能です。ただし、それでも「嫌われる」というネガティブ要素は残ります。