「裏腹」とは?
「(こんなこと言いたいわけじゃないのに…)」いつも言葉と気持ちは”裏腹”。好きな子をついいじめてしまうというのは、男性のあるあるではないでしょうか。
本当は好きなのに、「ブス」と言ってしまう。「裏腹」とは、このように「正反対なこと」を表現する言葉です。
気持ちとは真逆の行動を取ってしまうことを「気持ちと裏腹な行動をとる」のように表現します。
「裏腹」:意味
「裏腹」は、<うらはら>と読み、相反している様子を表す言葉です。「裏」は、表の逆を意味しています。「腹の裏」なので、身体の背面、つまり背中のことですね。
実際は、体のことではなく、主に心に関わることについて使われ、物事が正反対であることを示しています。
「腹」は「腹黒い」「腹の中」などと同じように「心の中」を意味しており、「裏腹」は心の葛藤のようなイメージで使われます。
「裏腹」:例文
- 彼女に会うと、気持ちと裏腹な行動ばかりとってしまう。
- 可愛い容姿とは裏腹な言動に、女の恐ろしさを感じた。
- 激しい口調とは裏腹に、彼女の表情は驚くほど冷静だった。
「裏腹」:類語
「裏腹」と同様に、2つの物事が互いに表裏の関係にあるという意味を持つ、いくつかの言葉をご紹介します。
裏表
「裏表(うらおもて)」は「表裏(おもてうら・ひょうり)」 とも言い換えることができます。単に表と裏という意味だけではなく、 表面に表れた態度と内心のことを指すこともある言葉です。
- コピー用紙にも裏表があるのを知っていますか?
- あの人は、本当に素直で裏表のない人だよ。
コインの裏表
この言葉自体に大きな意味がある訳ではありませんが、物事はコインのように裏と表の関係になっていると言われています。
不幸の裏は幸せ、お金を稼ぐ人の裏には、お金を払う人がいる、というように物事のたとえとして使われます。
背中合わせ
「背中合わせ」という言葉には単に背と背を合わせて、互いに後ろ向きになっていることを表すだけでなく、背と腹のように互いに裏表(うらおもて)の関係にあることという意味もあります。
表裏一体
「表裏一体」は<ひょうりいったい>と読みます。相反するかに見える二つのものが、根本では密接につながっていることや、その関係のことを意味します。
「長所と短所は表裏一体だ」のように、ひとつの物や事柄に対して2つの側面があることをいいます。
あべこべ
「左右があべこべ」のように、順序・位置などの関係がさかさまに入れかわっていることを「あべこべ」と言い表します。
普通と逆という状態を示しており、順序や法則に相反しているようなものに対して使われます。
「裏腹」:もう一つの意味
実は「裏腹」という言葉には「正反対」という意味の他に、「背中合わせ、隣り合わせ」という意味があります。
「死と隣り合わせの危険な仕事」といえば、一歩間違えば死につながるような危険な仕事であるという意味です。
「死と裏腹の危険な仕事」も同じ意味なのですが、裏腹を正反対という意味に取ると、本意から離れてしまいます。
「裏腹」という言葉は、「正反対」の意味が広く知られており、混乱が生じるのでこちらの意味ではあまり使われません。「死に近い、危険な仕事」を形容するなら「隣り合わせ」を使うのが無難でしょう。