「実感がわく」とは?意味や使い方をご紹介

「実感がわく」という言葉を使ったことはありますか?実はこの言葉、2つの意味を持っているのですが、意識して2つの意味を使い分けている人はそう多くないでしょう。今回は「実感がわく」の意味や使い方を、「湧く」「沸く」の漢字の比較も含めてご紹介します。

目次

  1. 「実感がわく」の意味
  2. 「実感がわく」とは?
  3. 「実感がわく」の使い方
  4. 「沸く」の意味と使い方

「実感がわく」の意味

日常会話の中でも、たびたび耳にする言葉である「実感がわく」には、実は次の2つの意味があります。
 

  1. 物事に実際に接したり直面したりして、現実的な感覚として味わうこと
  2. 物事に実際に接したり直面したりしたかのように、リアルに感じること。
言葉にすると複雑ですが、実感がわく」という言葉は、対象となる事物に「直接触れて」何かを感じること、「伝聞などで間接的に触れて」事物を生々しくイメージすること、の両方を表すということです。

 

「実感がわく」とは?

「実感がわく」という言葉の意味や、なぜ2つの意味が存在するのかということをより深く理解するために、「実感」と「わく」の2つの言葉に分解して考えてみましょう。

「実感」の意味

「実感」という言葉には、2つの意味があります。1つは、物事に実際に接したり直面したりしたときに、得られる感じのこと、もう1つは、物事に実際に接したり直面したかのように、リアルに感じ取ることです。

「実感がわく」という言葉に2つの意味があるのは、「実感」という言葉が体験が直接的なものであるか、間接的なものであるかを問わないためと言えます。

「わく」の意味

「実感がわく」において用いられる「わく」は、漢字では「湧く」と書きます。「涌く」と書く場合もありますが、意味はまったく同じです。

基本的に、今までそこに存在しなかったものが現れることを意味します。たとえば、「水が湧く」のは、地中に存在する水が地表に出ているのですから、厳密に言えば「水」はもともと存在していますが、「地上には」なかったと理解してください。

「湧く」を辞書で調べると、次のような意味が並んでいます。

  1. 水などが地中から出てくること。(例:温泉が湧く)
  2. 汗や涙が出ること。(例:涙が湧く)
  3. 虫などが発生すること。(例:ボウフラが湧く)
  4. 思いや感情、考えなどが生じること。(例:アイデアが湧く)
  5. 現象が起こってくること。(例:シュプレヒコールが湧く)
「実感がわく」は、主語が感情に類するものですので、4の意味となり、「実感が湧く」と表記されます。

「実感がわく」の使い方

「実感がわく」の二つの意味について、それぞれに使い方の文例を二例ずつ挙げます。似通ってまぎらわしいとは思いますが、それぞれにシチュエーションを確認しつつ、その違いを確認してください。

直接体験によるもの

  • やっと、念願のトイプードルを飼えたよ。遠方のブリーダーから犬の写真はもらっていたが、我が家に実際に迎えて、初めてこの犬なんだと実感がわいた。
  • 志望校の合格発表を見ても信じられない気持ちだった。今回、合格通知を目にして、ようやく合格の実感がわいてきた。
間接的な体験によるもの
  • 私は、一度もニューヨークに行ったことはない。しかし、ニューヨーク住まいの友人から、メールでニューヨークライフを日々伝えられ、住んでいるかのような実感がわいてきた。
  • 神社で願い事を絵馬に書いていると、すでに願いがかなっているかのような実感がわいた。

「沸く」の意味と使い方

「わく」には、「沸く」という同音異義の漢字があります。この機会に違いを確認し、正確に使い分けられるようにしておきましょう。「沸く」の基本的な意味とその使い方をそれぞれに挙げておきます。

  1. 水などが熱せられることで、沸騰する、あるいは水が湯になること。【文例】
  2. 水が激しい勢いで泡立つこと。【文例
  3. 人間の感情の激しい高ぶりなどを表す。【文例
  4. 発酵して泡立つこと。

【文例】
  1. 今日は疲れたので、風呂を沸かしてゆっくりとつかろう。
  2. 台風で川が増水し、あちらこちらで水が沸き立っている。
  3. 有名アイドルグループの解散コンサートの千秋楽、東京ドームの会場は観客の興奮に沸き立っていた。
  4. 手入れを怠っているうちに、ぬかみそが沸いてしまい、漬物も漬かりすぎてすっぱくなった。

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