「周知の事実」とは?意味や使い方をご紹介

「周知の事実(しゅうちのじじつ)」とは、広く知れ渡っている事実という意味です。国民的な常識を言う場合もあれば、地域における常識や仲間内では当たり前のことを指す場合もあります。今回は、「周知の事実」の意味や使い方についてご紹介します。

目次

  1. 「周知の事実」とは?
  2. 「周知の事実」の使い方
  3. 混同されやすい「承知」と「衆知」

「周知の事実」とは?

みんなが知っている情報広く知れ渡っていることなどを「周知(しゅうち)の事実」と言います。「周知」は広く知れ渡っていること。「事実」は本当のこと、現実に起こったこと、実際に存在している事柄という意味です。

つまり、「周知の事実」が指す「知れ渡っていること」とは、噂や推測ではなく、あくまで客観的な事実であることが分かりますね。

「周知」の範囲

「周知の事実」は、辞書的な定義では「広くみんなが知っている事実」とされています。しかし、「みんな」とは、「大多数の人」であって、必ずしもそこにいる人の全員ではありません。

また、「広く」が指す範囲も、文脈によって、世界なのか、日本国内なのか、一部のコミュニティなのかというように異なってきます。

「周知の事実」の使い方

実際に「周知の事実」が使われている文脈から、どの範囲で当たり前に知られていることと言っているのかを考えてみましょう。東京オリンピック開催は世界的に知られていることですから、A男は「世界中の大多数の人が知っている」と言っています。

B子は社内恋愛の話題ですから、「会社中のほとんどの人が知っている」、C男は日本の税制の話をしているので「日本の大抵の人が知っている」という意味で「周知の事実」を使用しているのです。

(A男)

2020年に東京オリンピックが開かれることは周知の事実なのだから、旅行会社としては、今がツアー誘致の頑張りどころだな。

(B子)

あなたが企画部の山本君とつきあっていること、誰も知らないと思っていたの?周知の事実よ!

(C男)

ふるさと納税のシステムが、自治体の税収格差をきわめて広げてしまっていることは、もはや周知の事実だ。

「周知の事実」の使い方の注意点

「周知の事実」は、「一般常識」「知らぬ者はいない」などと言い換えることができます。知っていて当たり前というニュアンスですね。

どのような人間関係であれ、「そんなの一般常識ですよ」などと言われれば、「あなたはそんなことも知らないのか」と馬鹿にされた、責められたと感じることもあるでしょう。

この点で、「周知の事実」を使う場合は注意が必要です。間違っても上司や先輩に「それは周知の事実ですよ」などと言わないように気を付けましょう。

混同されやすい「承知」と「衆知」

「周知」は、「承知(しょうち)」「衆知(しゅうち)」と発音や意味が似ているためか、混同されやすい言葉です。

「承知」

承知」は、なにかを知っていること・理解していること、あるいは、申し出などを受け入れることを意味する言葉です。「承知の事実」という言い回しは存在しません。

「衆知」

さらにまぎらわしいのが、発音も同じ「衆知」です。「衆」は、「民衆」「大衆」などのように、人の集団を表す漢字。そのため、「みんなに知れ渡る」という意味で用いる言葉に当てはめてしまうのでしょう。

しかし、「衆知」は、多くの人々の知恵という意味ですから、「周知の事実」のように用いることはできないのです。

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