「反感を買う」とは?
「反感を買う」というのは、「反感を持たれる」という意味です。相手の気に触るようなことをして、気分を害させることを「反感を買う」と表現します。
「反感」:意味
「反感」とは「相手の考えや言動を不快に感じて、反発しようとする気持ちや反抗的な感情」のことです。簡単に言えば「相手の考えや言動に対して反対する気持ち」です。
「反感を買う」の他にも、「反感を持たれる」「反感を抱く」「反感を覚える」という表現があります。「反感を持たれる」の場合は「反感を買う」と同じ意味になりますが、「反感を抱く」「反感を覚える」の場合は、主語は不快になっている側です。
例えば、「私は彼女から反感を買った」という場合は、「私」は不快にさせた側ですが、「私は彼女に反感を抱いた」という文章の場合は、「私」は不快にさせられた側です。つまり「彼女は私から反感を買った」という文章と同じです。
「反感を買う」:使い方
先述の通り、「反感を買う」を文章で使用する場合、まず主語は相手を不快にさせた人物になります。
例えば、自分が仕事中に同僚に対してきつく言ったところ、険悪なムードになってしまった場合は、「私はきつい言い方をして、同僚から反感を買った」と表現します。
主語である「私」が、相手の「同僚」に対してきつい言葉をかけ、同僚から「反感を受け取った(=買う)」ということです。
例文
- 彼はいつも周りと足並みがそろわない行動をするので、チームメイトから反感を買っている。
- 私の母親は人の行動にいちいちケチをつけてくるので、パート先でも反感を買いやすいようだ。
- 彼女はSNSに嘘のことをアップするので、反感を買う。
「反感を買う」の「買う」とは
「買う」には、代金を払って購入するいう意味の他に、「自分の言動が元となって、他人に好ましくない感情をもたれる」という意味もあります。
「人の恨みを買う」「失笑を買う」も、「反感を買う」の「買う」と同じ使い方です。自分の元に何かを引き寄せるイメージといえば、わかりやすいでしょうか。
反感は相手に不快な思いをさせれば、無料で買うことのできるものですが、人間関係を円滑にしておいた方が良いのは当然ですよね。できれば反感を買うことなく、良い関係を築けた方がいいのは、言うまでもありません。
「顰蹙を買う」とは?
「反感を買う」に似た言葉に、「顰蹙を買う(ひんしゅくをかう)」があります。
「自分の言動が原因で、人から嫌がられ、軽蔑(けいべつ)される」という意味で、「顰蹙」は「眉をひそめること」「顔をしかめていやがること」を指します。モラルに反するような言動が原因で、人から嫌われるというニュアンスの表現です。
「反感を買う」は相手が反対や反抗するといったことを意味するのに対し、「顰蹙を買う」は相手が不快感を持ったり、軽蔑するという意味を持つので、若干のニュアンスの違いがあります。