「バラバラ」の意味と使い方
「バラバラ」には、形容動詞的な使い方と副詞的な使い方があります。以下ではそれぞれについて意味と使い方をご紹介します。
「バラバラ」の意味と使い方①
「バラバラ」は、「まとまっていたものや一体であるべきものがあちこちに分散する」「不統一である」という意味です。
【例文】
- 少し目を離したすきに、子どもが目覚まし時計をバラバラにしてしまった。
- 支給されたテキストは大きさがバラバラだ。
「バラバラ」の意味と使い方②
「バラバラ」には副詞的な使い方もあります。「比較的大きな粒状のものが散らばりながら落ちる音やその様子」もしくは「大勢の人がまとまりなく動く様子」を意味します。
【例文】
- 夜中に雨がバラバラと屋根を打つ音で目が覚めた。
- 大きな衝突音が聞こえ、驚いた人たちが近所からバラバラと集まって来た。
これらの例文のように、副詞的な使い方では、「バラバラと」と「と」をプラスして用いられる場合もあります。
「バラバラ」のアクセント
「ブレスレットが切れてビーズがバラバラになった」のように、「分散する」という意味で使われる場合、アクセントは「バラバラ」と「バ」だけ低くなる平板型となります。
一方「あられがバラバラと降り始めた」のように「大きな粒状のものが落ちる音や様子」を表す副詞的な使い方の場合、アクセントは「バラバラ(と)」と「バ」だけ高くなる頭高型となります。
アクセントが違うと意味も変わってきますので、注意が必要ですね。
「バラバラ」の類語
「服装がバラバラだ」「意見がバラバラだ」のように、「統一性がない」という意味の「バラバラ」の類語は以下のようなものがあげられます。
- まちまち
また、「家族がバラバラになる」のように「分散する」という意味の「バラバラ」の類語としては、以下のものがあげられます。
- 離れ離れ
- 散り散り
- 別れ別れ
「バラバラ」「離れ離れ」「散り散り」の違い
「バラバラ」「離れ離れ」「散り散り」は、「ひとまとまりのものが別々になる」という共通の意味を持ちます。しかし、少しずつニュアンスの違いがあります。
「離れ離れ」は、「家族と離れ離れになる」のように、主として人間や動物などが互いに距離を隔ててしまう様子を表します。これに対し「散り散り」「バラバラ」は、人だけでなく物に対しても用いられます。
また「散り散り」が集まっていたものがあちこちに離れてしまう、というニュアンスであるのに対し、「バラバラ」はひとまとまりのものが壊れたり崩れたりして離れた個々のものになる、というニュアンスを含みます。
そのため「車との接触事故で大切な自転車がバラバラになってしまった」という文の「バラバラ」を「離れ離れ」「散り散り」で置き換えることはできません。
「バラバラ」と「パラパラ」「ハラハラ」
「バラバラ」に表記が近い言葉として「パラパラ」があります。皆さんは、「バラバラ降る」「パラパラ降る」と聞いたら、どんな違いを感じるでしょうか。
「バラバラ降る」は、大粒の雨やあられ、石などが音を立てて続けざまに降る様子を表します。一方の「パラパラ降る」は、大粒ではない雨が少しずつまばらに降る様子を表します。
「パラパラ」は「バラバラ」に比べて、軽くて数が少なく連続的な様子で降る、ということです。塩やコショウのような小さくて軽いものも「パラパラふりかける」と言いますね。
また他には「ハラハラ」という表現もあります。これは「桜がハラハラ散る」「ハラハラと涙をこぼした」のように、木の葉や花びらと言ったうすいものが落ちたり、涙やしずくなどが続けて落ちる様子を表す際に用いられます。
「てんでんばらばら」とは
「てんでんばらばら」とは、一人一人が勝手気ままなことをして、まとまりのない様子を表します。
「てんでん」は「手に手に」が転じたもので、「各自」「めいめい」という意味です。「ツアー客がてんでんばらばらに行動するので、添乗員は頭を抱えていた」などと使います。