サラブレッドの意味
本来のサラブレッド
サラブレッドは家畜として飼われている馬の一種で、大抵は競走用に飼われています。18世紀前後に英国で品種改良されてつくられました。
競馬場で走っている馬は基本的にはサラブレッドです。ただし、北海道の帯広市や岩見沢市(今は行われていない)で有名なばんえい競馬の馬は輓馬(ばんば)という別の品種ですので、サラブレッドではありません。同様に道産子(どさんこ)やポニーなども別の品種です。
犬や猫に使う場合
サラブレッドが犬や猫など、馬以外の動物に使われることがあります。この場合、単に純血種や血統書つきという意味です。
人に使う場合
サラブレッドは品種改良によってつくられた品種です。そのため、比喩として遺伝的に特定の性質を受け継いでいる人を指すことがあります。大抵は才能や知能、運動神経などの良い性質を祖父母や両親から受け継いでいる人を指します。しかし、場合によっては好ましくない性質についても使われます。その他、単に豊かな家に生まれた人や家柄の良い人を指すこともあります。
例えば、代々医者を輩出してきた一族の子供なら医者のサラブレッド、多くの人が政治家になった家系の子供なら政治家のサラブレッドとなります。一方、良くない性質であれば、アルコール中毒で両親や祖父母がなくなっているアルコール中毒のサラブレッドという言い方もあり得ます。
サラブレッドの使い方
注意点
比喩としてサラブレッドを使う際には、注意すべき点があります。それは、放送禁止用語に指定されていること。いわゆる優生学的な問題となりかねないことなどが理由でしょうか。意図が伝わらない可能性が高い場合には使用を控えたほうが良いかもしれませんね。もし使う場合にはTPOをわきまえて使いましょう。
例文
- 母方の祖父が剣道師範、父親がフェンシングの達人で彼は武道のサラブレッドのような人だ。
- 財界のサラブレッドともてはやされた彼も今は昔、事業に失敗して一族で夜逃げしたらしい。
- 悪いけれど、お酒は飲まない。家系的にアルコール中毒で何人も死んでいるアル中のサラブレッドなんだ。
サラブレッドの由来
語源
サラブレッドは英語で「thoroughbred」と書きます。この単語の由来は、徹底したという意味の「thorough」と育ちという意味の「bred」を組み合わせたものです。品種改良によって作り出された、走ることに特化した血統の馬、ということですね。
祖先
実はサラブレッドは全て同じ祖先をもっています。バイリータルク号、ダーレーアラビアン号、ゴドルフィンアラビアン号の3頭です。名前から予想できる通りアラブ系統の馬です。これらの馬と英国の馬との間に生まれた子孫を、能力本位に品種改良した結果生まれたのがサラブレッドです。
サラブレッドと輓馬の比較
体格
競走用に特化した能力を持つサラブレッドには他の馬と比較した時にいくつか特徴が見られます。体高は160cm程度で体重は500kgほどです。ばんえい競馬の輓馬は同じくらいの体高でも1000kg近くあるので、割とスタイリッシュな体格と言えます。ちなみにポニーは148cm以下の小型馬で、道産子もこちらに含まれますす。
体格が良い分輓馬は力が強く、おおよそ10馬力もあるとか。サラブレッドはこの半分以下で、2から3馬力といわれています。
性格
サラブレッドは気性が荒く、性格もおとなしくない馬が多いといわれています。元々競争用なので、気性の荒い個体を選んで品種改良していったのが原因とも。ちなみに、輓馬はおとなしいことが多いそうです。
ルーツ
ルーツも異なり、輓馬はペルシュロン種やブルトン種などフランス方面の血を引いています。この点、アラブや英国由来のサラブレッドとは異なりますね。道産子は文字通り北海道原産の馬です。