「イメージ」とは
「イメージ」の意味
「イメージ」には以下の2つの意味があります。
- 想像・思考などによって、心の中に描き出される像。心的表象。心象。またある物事について具体的に与えられる、全体的な感じや印象。
- ある物事を心の中に思い描くこと。想像。想起。
1はそのまま名詞として、2はサ行変格活用(~する等)により他動詞としての働きをします。
「イメージ」の使い方
【使用例】
- すっかり清純派というイメージが定着しましたね
- 企業イメージを高めるための広報戦略が必要です
- その脚本は彼をイメージして書きました
- 自分が成功した姿を明確にイメージすることが大切です
「イメージ」の類語:観念
「観念」には、「ある物事について人が抱く考えや意識など」という意味と、哲学において「人間がある対象を意識したときに抱く主観的な形象」という意味があります。
「あの人には自分が悪いことをしたという観念がない」や「固定観念」などと使います。また他動詞としては、「もはやこれまでと観念する」のように、あきらめることや覚悟を表します。
観念と概念の違い
物事について人間が持っている考えという意味で使われる「概念」は、しばしば「観念」と混同されます。
人間の持っている表象(イメージ)が「観念」であり、表象からその共通の性質を抽象して語の形をとるもの(言語によって表されるもの)が「概念」になります。「観念」が心理的であるのに対して、「概念」は一般的、論理的であるということがいえます。
「イメージ」の類語:心像/心象/表象
- 心像…過去の記憶や経験に基づいて現実の刺激なしに心の中に再生される感覚的な像
- 心象…記憶・感覚などに基づいて心の中に描き出される姿や像
- 表象…意識に思い浮かべられた心像
「観念」「イメージ」「心像」「心象」「表象」は、ほぼ同じ内容の言葉ということがいえますが、「表象」「心像」は、観念の中でも特に感覚的なものだけにいうとされています。
「表象」や「心像」は哲学や心理学では使用されますが、一般的な会話の中にはほとんど登場することのない言葉ですよね。それに対して「心象」は、「心象風景」「心象が目に浮かぶ」などと使われることがあります。
「イメージ」の類語:印象
「印象」は、心に残った感じ、心に与える直接的な感じをいいます。「映像が人々に強烈な印象を与える」「その街については印象が薄い」「第一印象」などと使われます。
「イメージ」が自分の心の中に過去の経験や感覚を基にして思う浮かべる映像であるのに対して、「印象」は外界の物事に触れることによって起こった心の動き(外界が心に直接的に与える影響)をいいます。「イメージ」は心で再生されるもの、「印象」は心に残るもの、という感じでしょうか。
「イメージ」の類語:想像
「想像」は、実際に見たり経験したりしていない事柄を頭の中に思い浮かべ考えることをいいます。「想像を絶する悲惨さ」「想像上の動物」のように使います。
「イメージ」との違いは、「イメージ」が過去の経験や感覚を基にして経験したものや感じたものを思い浮かべるのに対して、「想像」は経験したことをきっかけして、経験していないことを頭の中で考えることを表します。「イメージ」は過去の実体験を思い浮かべるもの、「想像」は未体験を考えるもの、と捉えればよいかもしれません。
「想像」と似た言葉に「推量」「空想」「夢想」というものがあります。考える内容が経験に立って現実と結ばれているのが「推量」、経験から離れて頭の中だけで考え現実とはかけ離れてしまうのが「空想」や「夢想」になります。
「イメージ」を使った和製英語
イメージ・アップ/イメージ・ダウン
イメージ・アップ(和製英語 image + up)には、「世間や周囲に与える印象が良くなること。また、よくすること」という意味があります。反対語が イメージ・ダウン(和製英語 image + down)です。
【使用例】
- イメージ・アップを図るためにどうすればよいのでしょうか
- 人気女優をCMに起用すれば商品がさらにイメージ・アップするのではないでしょうか
- これ以上のイメージ・ダウンを防ぐためにも記者会見が必要です
- 悪い噂を広めてイメージ・ダウンさせてやる
イメージ・キャラクター
イメージ・キャラクター(和製英語 image + character)とは、企業や商品などのイメージを強調するために、その広告に起用される人物のことをいいます。
イメージ・キャラクターは、企業のイメージアの向上ために起用される人を指しますが、単に企業やプロジェクトのシンボルとして起用される人や物のことは「マスコットキャラクター」と呼びます。いわゆる「ゆるキャラ」はマスコットキャラクターに含まれます。
イメージ・チェンジ
イメージ・チェンジ(和製英語 image + change)は、外見ややり方などが一変して、世間や周囲に与える印象がすっかり変わること。またそのようにして変えること、という意味になります。略して「イメチェン」ともいわれます。