「厳しい」の読み方
まず「厳しい」は、「きびしい」と読みます。「いかめしい」という読み方もありますが、こちらは表外読みです。音読みで「厳」の字は、「ごん」や「げん」と読みます。小学校では、六年生あたりで習う漢字です。
「厳しい」の意味
「厳しい」には細かく分け、以下の四つの意味があります。
- 厳格で手心を加えない、取り扱いに容赦がないこと
- 耐えがたいほど激しい、激烈なこと
- 柔和ではない、人を寄せ付けないような印象を与えること
- 何かをするのが難しいこと
こうして分けると難しそうですが、「厳しい」は日常生活でも耳にしやすい言葉なので、何となくニュアンスを理解できる方も多いのではないでしょうか。
また他にも「厳しい」は密度が高いことや素晴らしいことを表しますが、こちらは古い読み物などで使われる意味なので、現代では大抵の場合、1~4を示すかと思います。
「厳しい」の使い方
上述を踏まえて「厳しい」の1~4の使い方ですが、この言葉は「〇〇が厳しい」などそのまま使われる一方で、「厳しく」や「厳しさ」のよう、変化した形でも使われます。
厳しい:容赦がないこと
【例:あの先生は厳しい人だ】
これは1の意味で使っていて、「厳格な人だ」と言い換えられます。たとえば学校で校則違反を絶対に許さないような、情による手加減がない感じです。とりわけこの例文では、そういう性格を示しています。
似たような使い方としては、「練習の厳しさ」や「躾が厳しくて」などの表現があります。これらの場合は「練習の容赦のなさ」や、「躾に容赦がなくて」と言い換えられます。
厳しい:激しいこと
【例:今年の夏は、厳しい暑さだ】
これは2の意味で使っていて、そのまま「激しい暑さだ」や「暑さが激しい」と言い換えられます。容赦がないと言えなくもないのですが、天候などに情は関係ないので、一つ目の例文とは割とニュアンスが違っています。
似たような使い方としては、「吹雪の厳しさが増す」や「山の中の環境は厳しい」のような表現があります。
厳しい:柔和ではないこと
【例:彼は厳しい表情を浮かべている】
これは3の意味で使っていて、「人を寄せ付けないような表情」や、「近寄りがたい表情」と言い換えられます。イメージとしてはムスっとしているような、睨んでいるような、それこそ柔和ではない感じです。
似たような使い方としては、「厳しい山容」という表現があります。ちなみに山容とは、山の姿のことです。こちらは「人を寄せ付けないような印象の山容」と言い換えられます。たとえば見た目が不気味だったり、如何にも危なそうな感じです。
厳しい:難しいこと
【例:今の偏差値では、志望校への合格は厳しいだろう】
これは4の意味で使っていて、「合格は難しいだろう」と言い換えられます。似たような使い方としては、「作戦の遂行は厳しい」や、「ゴールするのは厳しい」のような表現があります。
「厳しい」の類語
「厳しい」の類語には、「大変」、「きつい」、「酷い」などがあります。
「大変」について
「大変(たいへん)」には幾つかの意味がありますが、中でも対処が容易ではない、苦労などが並々ではないことという点が、「厳しい」の2や4の意味と似ています。
たとえば2の例文の「厳しい暑さ」は、「大変な暑さ」と言い換えられます。また4の「合格は厳しい」は、「合格は大変だ」と言い換えられます。
「きつい」について
「きつい」は複数の意味を持っていますが、中でもゆとりがないことや、容易ではないという点が、「厳しい」の一部と似ています。
使い方に関しては、「きつい暑さ」や「合格はきつい」、「仕事がきつい」などのように用いられます。
また注意点として、「きつい人」のように性格を示す場合は、気性が激しいことや気が強いことを表します。ここは「厳しい人」と大きく違っています。
「酷い」について
幾つかの意味を持つ「酷(ひど)い」ですが、中でも度を超していることや、甚だしいことという点が、「厳しい」の一部と似ています。たとえば「厳しい寒さ」は、「酷い寒さ」と言い換えられます。