「ロマン」とは?意味や使い方をご紹介

みなさんは「ロマン」と聞くとどんなイメージが湧くでしょうか。「男のロマン」「ロマンチックな恋」などどこか現実離れしたワクワクさが伴いますね。そんな「ロマン」の意味とは何でしょうか。もともとの由来や類義語、英語での意味や表現なども含めてご紹介していきます。

目次

  1. 「ロマン」の意味
  2. 「ロマンス」の意味
  3. 「ロマン」の使い方
  4. 「ロマン」の類義語の意味

「ロマン」の意味

「ロマン」はフランス語「roman」を由来とするカタカナ語です。「roman」には以下のような意味があります。

  1. 夢や冒険心をもたらすもの
  2. ロマン語で書かれた物語
  3. 長編小説
このうち、カナカナ語の「ロマン」は1と2の意味で使われています。とくに主流なのは1の意の「ロマン」ですね。

一方「ロマンス」というカナカナ語もありますが、これは「romance」という英語を由来とした言葉です。「romance」もフランス語の「roman」を由来としていますが、カナカナ語の「ロマンス」は「ロマン」とは別の使われ方をしています。

ロマン:夢や冒険心をもたらすもの

夢や冒険心をもたらすものという意味での「ロマン」。これが日本で最も一般的に用いられる意味ではないでしょうか。「男のロマン」や「ロマンがかきたてられるような風景」のようにおよそ実現しそうにない幻想的なものに対して使われます。

ロマン:ロマン語で書かれた物語

ロマン語で書かれた物語という意味での「ロマン」。これは中世ヨーロッパにおいて主流だったラテン語の書物に対して俗語で記されたものを区別して使われました。

ロマン語(ロマンス語ともいう)はラテン語が各地で使われるうちに派生した口語での総称で、現在でもフランス語やイタリア語、ポルトガル語などが使われています。

初めは歴史物語から始まりましたが、次第に宮廷恋愛や騎士道を題材にした虚構性の強い物語へと移行していき、これが現在の小説の母体のひとつとなりました。伯爵令嬢と近衛兵の身分差ラブストーリー、なんてまさにロマンたっぷりですよね。

ロマン:長編小説

長編小説という意味での「roman」は、短編小説を意味する「conte(コント)」と区別して使われる言葉です。「conte」はフランスらしくエスプリの効いた小話のことです。

「ロマン」のような虚構の物語を、英語では一般的に「フィクション」と呼びます。さらに空想的な傾向が強いものを「ロマンス」、写実性の強いものを「ノベル」と区別します。また英語における「コント」は短い冒険小説を意味します。

一方、日本では「ノベル」が長編小説を意味するものとして広く使われており、「コント」は軽妙で機知に富んだ短編という、フランス的な意味で使われています。ジャンルによって言葉のもととなる国が異なるのは興味深いですね。

「ロマンス」の意味

英語由来の「ロマンス」は、恋物語や恋愛譚といった意味で用いられます。「旅先でロマンスが芽生える」や「甘いロマンスを想像する」のように、恋愛を叙情的に表現する際に用いられる傾向があります。

旅行先という非日常のなかでの恋や、妄想のなかの恋など、どこか小説的・劇的な要素を示唆するニュアンスですね。

「ロマン」の使い方

「ロマン」にはどんな使い方があるのでしょうか。ここまで「ロマン」の3つの意味を見てきましたが、みなさんが日常生活で使うのはやはり夢や冒険心をもたらすものとしての「ロマン」でしょう。この意味においての使い方をご紹介します。

  • 彼女の人生はロマンに満ちていた。
  • ロマンを求めて旅に出る。

「ロマン」の類義語の意味

「ロマン」の類義語に「ロマンチスト」という言葉があります。「彼は自他共に認めるロマンチストだ」といったように、 赤い糸の運命説を信じていたり誕生日に薔薇の花束を贈ったり、やや現実離れした思考や芝居がかった言動をとる人のことを言いますよね。

でも、英語ではこのような意味はありません。「romanticist」は「ロマン主義者」を意味します。ロマン主義とは、18世紀から19世紀にヨーロッパで興った感情の開放を主張する思想のことなので、日本でいう「ロマンチスト」とは全く意味が異なるのです。

もうひとつ、「ロマン」の絡む和製英語をご紹介します。「ロマンス・グレー」という言葉をご存知でしょうか。魅力的な中年紳士の白髪まじりの頭髪や、そのような髪の男性そのものを指すこともあります。

英語ではシンプルに「silver(gray) hair」と表現します。大人の熟した魅力にロマンを感じ、言葉をつくってしまった日本人はなかなかのロマンチストですね。

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