「メランコリック」とは
メランコリックとは英語のメランコリー「melancholy」の品詞が変化したものであり、「melancholic」といいます。意味は物思いに沈むさま、憂鬱(ゆううつ)なさまを表します。ネガティブな気持ちや表情を表した言葉であると言えます。
「メランコリック」の使い方
日頃メランコリックという言葉をなかなか耳にしないと思いますので、メランコリックを使った例文で、メランコリックの意味がを理解してみましょう。
メランコリックな気分(気持ち)
・昨日は学校で彼氏に振られてメランコリックな気分になって、明日から学校なんて行ってられないわ!
・あさってには期末試験があることに今更気づいて、メランコリックな気持ちで押しつぶされそうだ。
・満員電車に乗って帰る途中に窓から星空を見てみると、どことなくメランコリックな気分になってしまった。
メランコリックな表情
・受験した大学すべてが不合格だとわかり、思わずメランコリックな表情になってしまった。
・商品開発のプレゼンに臨み、上司や同僚からダメ出しを受けてメランコリックな表情に陥った。
・引っ越しの日に友達に出会ったらメランコリックな表情をしていた。
「メランコリック」の語源
メランコリックと聴くと、英語が語源では?と思うかもしれませんが、その語源は古代のギリシャ語に遡ります。古代ギリシャにおける医学用語”melancholia”が語源です。ギリシア語のメラン”melas”(黒い)+コレ”cholē”(胆汁)から成り立ちます。
胆汁は肝臓から出される消化液であって脂肪の消化を助ける脂肪酸を分泌する液体であることが知られていますが、その当時は胆汁の色や粘り気など様子で個人の心的特性(怒りっぽい、のんびり屋さんなど)を分類する材料に使われていたとのことです。
その分類方法によれば何らかの要因で気分が落ち込みやすい人は胆汁が黒っぽくなる傾向があることから、気分が落ち込んでいる人=melancholiaと考えられていました。
バンド名にも使われている「メランコリック」
インディーズバンドの好きな人にはメランコリックという言葉を聞くと、メランコリック写楽というバンドが存在していたことをご存知でしょうか?メラシャラとも呼ばれていました。
メンバーはももす(V,G,K)、甘酒(G,Co)、ノモトクン(B)、Oh!高知(D)の4人組でした。ももすのハイトーンボイスから繰り出されるメッセージ性の高い歌詞と曲が合わさってメランコリックな世界観が見えてくる曲ばかりです。
東京を拠点に活動していましたがボーカルももすさんの脱退により2017年12月に解散をされています。2015年12月RO69JACK 2015 for COUNTDOWN JAPANに入賞したり、翌年にはAEKAINOOWARI主催イベントに出演したりと精力的に活動していた中での解散のようで、ファンだった人々が解散の知らせを聞いたときのコメントが2chサイトなどによく見受けられました。
小説に使われている「メランコリック」
メランコリックという言葉はネット投稿サイトの中の小説にも見受けられました。秋乃りんごさんの「メランコリック症候群」という小説です。毎日授業をサボりながらも医者を目指している少年と、その学校に在籍している女性スクールカウンセラーとの恋愛ものの小説です。
連載はすでに終了しているようですが、親の敷いたレールに乗って勉強することにどことなくメランコリックな気持ちになっている学校の屋上で授業をサボっている少年と、たまたま屋上に現れたスクールカウンセラーとの出会いから始まるやり取りから生まれる心の葛藤を描写している本作品は、それぞれの編がそんなに長いわけでもなく、内容も読みやすいものとなっています。