「虎穴」とは?意味や使い方や由来をご紹介

皆さんは「虎穴」という漢字をご存知でしょうか。日常ではあまり見かけない漢字ではありますが、ことわざや四字熟語として使われることが多いので意外と馴染みがあるのではないでしょうか。ここでは「虎穴」という漢字の意味や使い方を紹介します。

目次

  1. 「虎穴」の読み方と意味
  2. 「虎穴」の使い方
  3. 「虎穴」を使ったことわざ
  4. 「虎穴」の類語

「虎穴」の読み方と意味

まず「虎穴」は「こけつ」と読みます。この言葉は名詞で、虎が棲んでいる穴という由来から極めて危険な場所や状況のことを意味します

「虎」という字は、獰猛な動物であるトラのイメージの通り「強いもの」「勇猛なこと」「凶悪で恐ろしいもの」という意味で使われることが多く「虎」を使った慣用句やことわざはたくさんあります。

「虎穴」の使い方

中国では百獣の王といえばライオンではなく虎であり、覇者や豪傑という意味で使われることもありますが「虎穴」は上述の意味を踏まえ危険を犯すリスクを取るといった行動の対象に使われます。

「虎穴」を使ったことわざ

虎穴を使ったことわざとしては虎穴に入らずんば虎子を得ず(こけつにいらずんばこじをえず)が挙げられます。

虎穴に入らずんば虎子を得ずの意味

虎穴に入らずんば虎子を得ずは、虎の子を得るためには虎が棲んでいる穴に非常に大きなリスクが伴っても入らねばならないことから、大きなことを成し遂げるには危険を冒さなければいけない、危険を避けるのでは大きな成功は有り得ないという意味があります。

虎穴に入らずんば虎子を得ずの由来

このことわざの由来は、「後漢書」と呼ばれる、中国の後漢朝という時代について書かれた歴史書から来ています。

戦で劣勢に立たされた班超(はんちょう)という大将が、怯える部下に放った言葉が「虎穴に入らずんば虎子を得ず(不入虎穴焉得虎子)」です。この言葉で勇気が湧き奮い立った班超軍は、見事大勝利を収めました。

虎穴に入らずんば虎子を得ずの例文

由来にもある通り虎穴に入らずんば虎子を得ずという言葉は、怖気づいたり萎縮したりしている自分や周囲を、鼓舞し勇気づける時に使われます。

  • 「このままずっと会社に留まるか、リスクはあるけど転職するか悩むな。いや虎穴に入らずんば虎子を得ずだ、思い切ってみよう。」
  • 「いくら考えたって不安は拭えないから、虎穴に入らずんば虎子を得ずのごとく、とにかく挑戦だ。」
  • 「今の僕があるのは虎穴に入らずんば虎子を得ずと思って、危険を承知で勇気を持って行動したからだ。」

「虎穴」の類語

「虎穴」の類語には「火中」「危ない橋」などがあります。

「火中」の読み方と使い方

「火中」は「かちゅう」と読み、「火中の栗を拾う(かちゅうのくりをひろう)」ということわざでもお馴染みです。文字通り「火の中」のことですから、虎穴と同様に危険な場所や事柄のたとえですね。

火中の栗を拾うは虎穴に入らずんば虎子を得ずとは意味が違い、「自分には利益はないのにそそのかされて危険を冒し、他人の利益のために痛い目に遭う」という意味があります。

「危ない橋」の読み方と使い方

「危ない橋」は「危ない橋も一度は渡れ(あぶないはしもいちどはわたれ)」ということわざに使われる単語です。

「危ない橋も一度は渡れ」は「虎穴に入らずんば虎子を得ず」と意味が近く、「堅く安全な選択ばかりでは大きな成功はなくあえて危険な道に挑戦してみろ」という意味があります。


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