言質を取るの意味とは
言質を取るとは、後で証拠となる約束の言葉を相手から引き出すことです。大事な契約や決定事項の際に、約束事をはっきりと残しておくことは重要ですね。後の交渉をスムーズに進行させるための行為です。現代のように録音機能が発達していなかった時代に、言葉だけの約束も大事な証拠となり、トラブルを防ぐために重要でした。
計算高く、相手を不利な立場に追い込む行為とは違いますが、万が一相手が約束を守らなかったり、言ったことをあとで変えられた場合に備えておくことです。ビジネスでも、より交渉をスムーズに進めるための会話術として、身に付けておきたい技術ですね。
「言質」の正しい読み方は、「げんち」ですが、「げんしつ」「げんしち」と誤読が多かったため、慣用読み(正式な読み方以外でよく用いられる読み方)では「げんしち」でも良いとされています。
言質を取るの使い方
- 3回めの話しあいで取引先から、発注の言質を取ることが出来た。
- 政治家から言質を取ることが出来れば大スクープ間違いなしだ。
- 言質を取られないように、これからの発言には充分注意して下さい。
しかし、日常会話で「言質を取る」と相手から言われたらドキッとします。親しい間柄で使う時は、人間関係がギクシャクすることがあるので気を付けましょう。
恋人同士の約束で「デートの日時の言質を取った」と使うことはありませんね。相手に懸念を抱いている心境が「言質を取る」には隠されています。信頼関係があれば、約束を守らせるための言葉の人質は必要ないでしょう。
言質を取るの類語
- 確約をとる:確かな約束をすること
- 発言を引き出す:相手からはっきりとしたことを聞くこと
- 証拠を引き出す:事実となる証拠を引き出す
- 誓約を取る:必ず守る約束をすること
言質を与えるとの違いとは
「言質を与える」と表現した場合、自分が相手側に証拠となる言葉を発言することを意味します。有利な立場に立ちたい交渉事や、政治家のコメントなどで相手に「言質を与える」と大きなマイナスになりかねません。「言質を取る」とは、真逆の立場となります。
言質の意味
言質は、証拠となる約束の言葉です。類語に「言葉質」があります。「言葉質」とは相手の言った言葉を自分に有利な証拠とすることの意味です。
言とは
言「げん」とは、
- 物を言うこと
- 言った言葉
- 語句・文句
言を使った慣例句
- 言を左右にする:はっきりしたことを言わない。あいまいな返事をすること
- 言をかまえる:偽りを言う
- 言を食む(はむ):前言をひるがえす。約束をやぶる。うそをつくこと
質とは
質は、読み方によって違う意味を持ちます。
「しち・ち」の意味
- 約束の保証として預け違約のときの償いとするもの
- 借金の担保として預けておくもの、借金のかた
- 特に質屋に預ける担保
「しつ」の意味
- 生まれながらに備えている性格
- あるものを形作っている要素を、良否・粗密などその性質の面から見たもの
「たち」の意味
- 人の性質や体質
- 物事の性質
また、「気質」は「かたぎ」と読みます。「質」は小学校5年生で習う漢字ですが、それぞれ持つ意味をしっかりと理解しておきたいですね。