「猫をかぶる」の意味
- 本性を隠し、大人しそうに見せかけること。
- 知っているのに知らないふりをすること。
「猫をかぶる」の意味の由来
そもそも、なぜ「大人しそうに見せかける」といった意味に、「猫」が使われるのでしょうか。「猫をかぶる」の由来には、主に2通りの説があります。
1つ目の説は、「本来獰猛であるはずの猫は、愛らしい見た目や振る舞いで普段その性を隠しているから」というものです。「能ある鷹は爪を隠す」と言いますが、猫の爪も普段は可愛らしい手足の中に隠れていますね。
2つ目は、「ねこだをかぶる」が由来だという説です。「ねこだ」とは藁や縄で編んだむしろのこと。それをかぶって「知っているのに知らないふりをする」ことが「ねこだをかぶる」と表現され、それが形を変えて「猫をかぶる」となったと言われています。また「寝ござ(就寝時に敷くござ)」が由来とする説もあります。
「猫をかぶる」の例文
- 新しく赴任してきた先生は、前の学校でも厳しいことで有名だったらしい。今はまだ猫をかぶっているから優しいが、そのうち本性を現すのではないかとみんな恐れている。
- 妻が普段は猫をかぶっているせいで、彼女に関する私の愚痴は大抵一笑に付されてしまう。
- 猫をかぶるのも大概にしろと忠告したのに、案の定本性がバレた姉は彼氏にフラれたらしい。
「猫をかぶる」の英語表現
「猫をかぶる」を英語にすると、"a wolf in sheep's clothing"で、直訳すると「羊の皮を着たオオカミ」となります。本当は狂暴であるオオカミが、大人しい羊のように振る舞うという意味ですね。日本語では大人しい動物として猫にたとえていますが、英語だと羊になるのも面白いところです。