「垂涎」とは?意味や使い方をご紹介

「垂涎(すいぜん)」という言葉についての紹介です。どのような場面で使われるのか、正式な読み方や誤読からできた慣用読み、二つの漢字の組み合わせから考える言葉の意味、「垂涎の的・垂涎三尺」などの言い方を使った例文について説明しています。

目次

  1. 「垂涎」とは
  2. 「垂涎」の読み方
  3. 「垂涎」の意味
  4. 「垂涎」の使い方

「垂涎」とは

「垂涎」という言葉は、ある物が、一般の人にはなかなか手に入らない高価な物だったり、とても希少価値の高い物だったりするときに使われることが多いようですね。

ふだんはあまり見ることのない「涎」という漢字も使われているし、なんだか読み方も難しそうです。では、この「垂涎」という言葉について読み方・意味・使い方などを確認していきましょう。

「垂涎」の読み方

「垂涎」という言葉はどう読めばいいのでしょうか。すいえん?すいせん?いえ、本来の正しい読み方は「すいぜん」です。

ただし、もともとは誤った読み方だった「すいえん」や「すいせん」も、そのように読んでしまう人がとても多いので、次第に「慣用読み」として認められるようになってきています。

「垂涎」の意味

「垂涎」という言葉の意味を考える前に、まず「垂」と「涎」の二つの漢字がどんな意味をもっているのか考えてみましょう。

「垂」の意味

「垂」という字は、音読みでは「スイ」訓読みでは「た(れる)、た(らす)」などと読みます。稲穂など植物の実や花が長く垂れ下がっている様子を表す象形文字と、土を表す象形文字が組合わさってできた会意文字と言われています。

そこから、何かが垂れ下がったり、ぶら下がったりする意味を表すようになりました。さらに、液体などが何かを伝わって少しずつ流れ落ちたり、したたり落ちたりする状態を表す意味で使われることも多くなってきました。例を考えてみましょう。

たとえば、おもりがついた糸が真っ直ぐに垂れ下がっているとき、この糸と水平な地面(または水面)との位置の関係を表す言葉は「垂直(スイチョク)」となります。

人が鉄棒やつり輪などにぶら下がって、両腕の力で自分自身の体を上に持ち上げたりする運動は「懸垂(ケンスイ)」と言われます。

次に、長いものが垂れ下がったりぶら下がったりすることでなく、液体が下に流れ動くような場合に使う「垂」について考えてみると、あまり上品ではない状態を表すことが多いようです。

たとえば、汚染水を川や海などに違法に捨てたり、人が糞尿などをトイレではない場所でもらしたりすることを「垂(た)れ流す」と言います。

また、鼻水が鼻の穴から口の方に向かって流れ出している子どもは「はな垂(た)れ小僧」などと言われます。

「涎」の意味

「涎」という字は、音読みでは「ゼン、セン」、訓読みでは「よだれ」と読みます。意味はそのまま「よだれ」を表しています。

「よだれ」は「だ液、つば」と同じ物ですが、普通は、口からこぼれて出てきた場合に「よだれ」という言い方になります。

「垂」と「涎」を組み合わせた「垂涎」の意味

「垂涎」は字の組み合わせから考えると「涎(よだれ)を垂(た)らす」ですが、特に「食べ物を食べたくてよだれを流す」という場合に使われます。居眠りをして口からよだれが出ているような場合には当てはまりません。

さらに、今ではもともとの意味から転じて「ある物を手に入れたいと強く思うこと、また、持っている人をうらやましく思うこと」を表す使い方の方が多くなっているようです。

「垂涎」の使い方

「垂涎」という言葉は「垂涎もの」「垂涎の的」などの言い方で使われることがよくあります。また「垂涎」をより誇張して、よだれを三尺(一尺はおよそ30cm)も垂らすという意味で「垂涎三尺」という言い方をすることもあります。

使い方としては次のような例文が考えられます。

「このレストランのステーキは、黒毛和牛のA5ランクの超高級な肉だけを使っているんです。まさに垂涎ものですよ。」

「彼が所有する茶道具の中には、国宝級と言われる茶碗もあって、多くの茶人たちの垂涎の的になっている。」

「地方の旧家の土蔵から、江戸時代の貴重な浮世絵が大量に見つかったそうだ。収集家の立場からはまさしく垂涎三尺の思いだ。」


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