「切羽詰まる」の意味
「切羽詰まる」(せっぱつまる)とは、事態が差し迫った状態に陥り、追い詰められて窮地に立たされることです。打開するのが非常に困難である様子を表しています。
「切羽詰まる」の語源
「切羽詰まる」は、いざという時に刀が抜けず、自分の身が守れず危うくなるところから来ています。敵が面前に迫っている時に逃げることも、迎え撃つこともできずにどうにもできない様子が目に見えるようですね。
「切羽」は、日本刀の鍔(つば)、柄(つか:持ち手部分)と鞘(さや:刃先を覆う部分)に接する所に添え付けた、薄い円形の金属製の板のことです。
この「切羽」が用をなさずに「詰まる」と、鞘が隙間なくふさがってしまい、刀が抜けなくなってしまうのです。
「切羽詰まる」の使い方
「切羽詰まる」は、もともとは命の危険にさらされてどうしようもできない様子を表すのですが、現代では、よほどの非常時以外はなかなかそのような状況にはならないでしょう。
多くの場合、大変な問題を抱えている時に、自分では解決できずにどうにもならない状態になっていることや、八方塞がりで困っている様子を指して比喩的に「切羽詰まる」が使われます。
「切羽詰まる」の例文
- 連載の締切が明日に迫り、切羽詰まっている。
- 犯人は問い詰められて切羽詰まり、もはやこれまでと毒杯を仰いだ。
- 真面目な人だったがギャンブルにハマり、切羽詰まって公金を横領したらしい。
- 新型肺炎のせいで、流行地域の医療機関が切羽詰まっているそうだ。
「切羽詰まる」と似たような意味の言葉
土壇場
「土壇場」(どたんば)は、進退が極まった状況や、決断を迫られる最後の場面をいいます。斬首刑の際に、土を盛って築かれたのが「土壇場」。つまり、その場面では罪人の執行をする他なく、他にどうにもならないことを例えています。
ただし、競技などで敗戦濃厚な最悪の状況から、鮮やかに逆転する際に「土壇場」を使う場合もあります。また、派生語の「ドタキャン」は「土壇場キャンセル」の略語で、ギリギリの時間になって予約を取りやめることを言います。
【例文】
- にっちもさっちも行かず、土壇場に立たされる。
- (野球の試合)9回ツーアウトの土壇場から、彼は見事な逆転サヨナラホームランを放ちました。
- 約束の時間の5分前になって、ドタキャンされた。