「難くない」とは
「難(かた)くない」とは、「(~にかたくない)という形で)~することがむずかしくない。~することが簡単だ」という意味の言葉です。
「難」は、音読みで「ナン」、訓読みで「かた-い、むずか-しい」と読みます。意味は以下の通りです。
- むずかしい。かたい:「難解(なんかい)、難関(なんかん)、難読(なんどく)」など
- わざわい。くるしみ:「災難、苦難」など
- せめる。とがめる。なじる:「難詰(なんきつ)、非難」など
「難くない」の「難」は、1の意味で使われ、それを「ない」で否定していることから「むずかしくない。簡単」ということを表します。
「難くない」の使い方
「難くない」を使う場合によく見聞きするのは、「想像に難くない(=簡単に想像できる)」という表現ですね。これだけと言ってもいいぐらい定型の言い回しですが、違う表現の例文も挙げてみます。
例文
- サービス残業、パワハラなどで有名なあのブラック企業には、メンタル不調の社員が大勢いることは想像に難くない。
- 最強クラスの台風が直撃した地域が、どれほどの被害を受けたかは、想像に難くないだろう。
- 職員による情報漏洩(ろうえい)が明らかになれば、激しい非難にさらされることは想像に難くない。
- 恋人に振られた彼の心中を察するのは難くないよ。
- 国道が通行止めになっているから、彼がこの道を通ってくることは予想に難くないだろう。
「難くない」の類語
「難くない」に似た意味の表現は数多く挙げられるでしょう。「難しくない」「簡単だ」「造作もない」「敷居が低い」「易しい」「容易」「楽勝」「朝飯前」などがありますが、今回はその一部の言葉をご紹介します。
「造作ない/造作もない」
「造作(ぞうさ)ない/造作もない」は、「手間がかからず、簡単にできること。たやすいこと」という意味の慣用句です。「造作無い」とも書きます。
「造作」には、「何かをするのに手間や費用がかかること。面倒なこと」という意味があり、それを「ない」で否定した表現です。
【例文】
- このジグソーパズルは、子どもでも造作なく完成させることができる。
- この程度の量の入力なら、2時間もあれば造作なくできます。
「楽勝」
「楽勝」とは、読んで字のごとく「楽に勝つこと。簡単なこと」という意味です。「楽勝だ」という言い回しは、スポーツや仕事、あるいは試験などの場面で見聞きしたことがあるかもしれません。
「楽勝」の対義語は「辛勝」(しんしょう)」で、苦戦して勝つということですが、こちらはもっぱらスポーツや競技などで使われます。
【例文】
- 今日の試合は相手投手のコンディションが悪くて、二桁得点で楽勝だった。
- 「急で申し訳ないが、今日中にこの仕事やってくれ。大丈夫か?」「課長、楽勝ですよ。」
「朝飯前」
「朝飯前(あさめしまえ)」とは、「朝食をとる前のわずかな時間(あるいは、朝食を食べるわずかな時間)でできるほど簡単なこと。朝食を食べなくてもできるほどたやすいこと」と言う意味の慣用句です。
【例文】
- これぐらい朝飯前だと思って引き受けたが、結構時間がかかってしまった。
- 今日の宿題は、僕にとっては朝飯前だ。
「余裕」
「余裕(よゆう)」とは、「あまりがあること。限度までゆとりがあること」という意味です。「時間に余裕がある」「場所に余裕がある」「数に余裕がある」「こころに余裕がある」など、時間・空間・数量から精神的なことにまで幅広く使える言葉です。
「難くない」の類語としては、「余裕で」とか「余裕がある」といった表現で、「簡単、たやすい」というニュアンスを表すことができます。
【例文】
- 昨日課長から指示された取引先とのプレゼン資料は、余裕で準備できたよ。
- まだ財布と時間に余裕があるから、もう一軒行こう。