「ミス」とは?
「ミス」(miss)とは、英単語「mistake」に由来する言葉であり、「失敗すること」「過失」を意味する言葉です。
「ミス」は「mistake」ではなく英単語「miss」に由来するという考え方もありますが、言葉の意義を考える限り、「mistake」(ミステイク)が短縮されたものと考えるのが妥当です。詳しくは後ほど解説します。
あいまいさ回避
「ミス」(Miss)には未婚女性の名前に冠する敬称(例:ミス・ベイカー、ミス日本)としての意味もありますが、本記事ではこの敬称としての「ミス」の解説は行いません。
「ミス」の使い方
「ミス」は、「私のミス」など名詞で使う他に、主に「ミスをする」「ミスを犯す」といった形でも使います。より口語的には、「ミスる」「ミスった」という形でも「失敗した」という様子を表すことができます。
また、「判断ミス」「計算ミス」「ミスキャスト」「ケアレスミス」(careless miss:不注意によるミス)のように、他の単語とくっつけて使われることもあります。
「ミス」のイメージ
「ミス」という言葉は、「うっかり間違った」「知らずに誤りを犯した」というニュアンスを含むことが多く、「失敗」を意味する言葉の中では(ミスにまつわる責任などが)やや軽いイメージがあります。
そうした側面から、自分の「ミス」を認める場合でも他人の「ミス」を指摘する場合でも、比較的角が立ちにくい言葉といえるでしょう。「うっかり間違うこと」は誰にでもあることだからです。
ただし、「重大なミス」という言い方もあるように、どんな形の「ミス」でも重大な結果を招くことがありえる点は踏まえておきましょう。例えば「医療ミス」や「(航空機の)操縦ミス」などは、小さなものであっても重大視される傾向があります。
例文
- 仕事場でミスをしたという彼女が落ち込んで帰ってきた。
- 彼は自分のミスを隠すために、報告書を改ざんした。
- 他人が犯したミスのしりぬぐいほど、ストレスのたまることはない。
- この交通事故の原因は、運転手の操作ミスではなく、車の設計上のミスが疑われている。
「ミス」の類語
「ミス」は、大きく分けて「不注意に基づくもの」と「能力不足など原因があるもの」に分けることができます。それぞれのカテゴリごとに類語を見ていきましょう。
主に「不注意」に基づく間違い
- 過失
- 過(あやまち)ち
- そびれる
- 手落ち
- 粗相(そそう)
- 抜かり、手抜かり
- 遺漏(いろう)
「ミス」は基本的には「不注意に基づくもの」というニュアンスですので、類語としてよりイメージが近いのはこれらの単語といえるでしょう。
主に「能力不足」など原因がある間違い
- 失敗
- 誤り
- 失態
- へま
- ぽか
- どじ
- エラー
これらの単語は、能力の不足や明らかな錯誤など、不注意の他に原因が指摘できるミスというニュアンスです。そのため、「ミスでは済まない間違い」ことを示すこともしばしばです。
「ミス」の由来
「mistake」
「ミス」の由来は、英単語「mistake」を縮めたものです。日本語でも「ミステーク、ミステイク」とカタカナに転写されて使われることがありますね。
「mistake」は「勘違いをして間違う」「思い違いをして間違う」といった意味であり、「ミス」と同様、過失の程度は軽めです。
なお、「失敗」を表す英単語には他には「fault」や「error」があります。「fault」は「(明らかで確定的な)失敗、障害」という意味であり、「mistake」より重い失敗のニュアンスです。「error」は、「基準から逸脱したもの」というニュアンスです。
「miss」について
英単語の「miss」は、「(的や目標を)外す」「逃す」「見失う」などの意味であり、「間違い」や「失敗」という意味はありません。(「miss」の結果が「失敗」と判定されることはあります)
例えば「I miss you」であれば「あなたを見失う」≒「あなたに会えない(会えなくて残念、寂しい)」という意味であり、何かを間違っているわけではない、ということがおわかりになるでしょう。