「例年通り」とは?意味や使い方を類語を含めてご紹介

「例年通りお願いします」というフレーズをよく耳にする方も多いのではないでしょうか。「例年通り」は、何気なく聞いたり、使ったりする言葉のひとつですね。では、この「例年」とはどういう意味なのでしょうか。今回は「例年通り」の意味や使い方を類語を含めて紹介します。

目次

  1. 「例年通り」とは
  2. 他の言葉との違い
  3. 「例年通り」の使い方
  4. 「例年通り」の類語

「例年通り」とは

日々の会話の中で、何気なく「例年通りでいいですよ」や「例年通り開催します」と言っていませんか。このように、「例年通り」は、とても使い勝手の良い言葉ですね。「例年通り」は、「いつも通りや以前と同じようなさま」を意味する慣用表現です。

読み方は、「れいねんどうり」ではなく「れいねんどおり」です。次に、この言葉を構成する「例年」と「通り」を見ていきましょう。

「例年」の意味

「例年」とは、「いつもの年。または、年々のきまり」という意味です。「例年」は、端的な意味だけですが、「例」は多くの意味を持っています。

「例」の意味

「例」は、音読みでは「れい」、訓読みでは「たとえる」「ためし」と読みます。たくさんの意味を持ち、大きく分けると次の通りで、「例年」の「例」は1の意味です。

  1. 以前からのやり方。しきたり。いつもどおり:(長年の例にならう)
  2. 判断の基準となる過去の事柄。先例:(過去に例がない)
  3. 他に説明をするため同じものの中から選んで示す事柄:(例をあげて説明する)
  4. いつものとおりであること:(例によって大きな話ばかりだ)

「通り」の意味

「通り」は、多義語で、しかも読み方によって意味が変わります。「例年通り」の「通り」は②の3の意味です。

①【通り(とおり)】

  1. とおり。道。通路。行き来。往来:(人気のない通り)
  2. 通じること。抜けること:(風の通り。通りのいい声)
  3. 理解:(話の通りが良い)
  4. 信用。評判:(世間での通りが良い)
  5. 同じ方法。同じ経過:(地図の通りに歩く)
  6. 方法などの種類を数える言葉:(問題の解き方は2通りです)

②【通り(どおり)】
  1. 街路の名前:(○○通り)
  2. おおよその程度:(九分通り)
  3. 名詞に接続して同じ状態であることを表す:(従来通り)

なお、文章表現などによっては、読み方が変わる場合もあります。例えば、①の5の例で「の」を抜くと「地図通り(どおり)に歩く」となります。

他の言葉との違い

「例年」と「平年」との違いは

「平年(へいねん)」は、「うるう年でない年。普通の状態にある年。気象や農作物の収穫が普通程度の年」という意味です。気象に関する場合にはこの「平年」を用います。「例年」の方が、「平年」より大まかな表現と言えます。

「例年通り」と「従来通り」との違いは

「従来通り(どおり)」とは、「いままでの状態に変化がなく過去に行ってきた内容と違いがない」という意味です。「例年通り」は、同じような意味であっても、「変更もあり得る」という含みを持っていますので、前後の文脈によって使い分けを考える必要があります。

【例文】

  • 会議の進め方は従来通りですのでよろしくお願いします。
  • 社内旅行は例年通り実施される予定です。

「例年通り」の使い方

  • 今年の例大祭は中止となりましたが、来年は例年通りの開催となるようです。
  • わがチームは例年通りの成績で優勝することはできなかった。
  • 桜の季節になると例年通り大勢の人たちが集まってきました。
  • さまざまな問題がある中で、今年の大会は例年通り開催する予定です。

「例年通り」の類語

「いつも通り」

「いつも通り(どおり)」とは、「いつもとなんら変わることがないさま」という意味です。「物事の様子が日々変わらないさま」を表しており、この点が「例年通り」と類似しています。この言葉のイントネーションが気軽な雰囲気を醸(かも)し出しています。

【例文】

  • 私は今日もいつも通り朝7時発のバスで会社へ向かった。
  • 彼はいつも通りの席に座ってコーヒーをすすりながら本を読み始めた。

「相も変わらず」

「相(あい)も変わらず」とは、「相変わらず」を強調した言葉で、「いつもと変わらないこと」に「(多くの場合)軽いあざけりや卑下(ひげ)、皮肉の気持ち」を込めて使われています。この点については、「例年通り」とニュアンスが違っています。

【例文】

  • 彼は相も変わらず遅刻の連続です。
  • 反省することもなく、相も変わらず失敗だらけです。

「例によって」

「例によって」とは、「いつもと変わらない」という意味です。「例によって例の如し」というフレーズで使われ、「いつもと変わらない相変わらずのありさま」を表しています。反省もなく同じことを繰り返す様子をあきれかえって言う場合などに用います。

【例文】

  • 卒業式が始まりました。例によって例の如し来賓(らいひん)の祝辞は長いです。
  • 例によってまた先生のお説教が始まりました。

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