「志半ば」とは?意味や使い方を例文を含めてご紹介

「志半ば」という言葉をご存じでしょうか。「志半ばで断念する」とか「志半ばで命を落とす」などという表現で使われます。しかし、最近では「志」自体使われる機会が少なくなっているようです。この記事では「志半ば」について、意味や使い方を例文とともにご紹介します。

目次

  1. 「志半ば」とは
  2. 「志半ば」の使い方・例文
  3. 「志半ば」の類語
  4. 「三日坊主」とは

「志半ば」とは

「志半ば(こころざしなかば)」とは、「目標や夢に向かって努力していたことを最後までやり遂げられなかったこと」を表現する言葉です。ここで言う「目標」とは、おもに、実現の可能性が低かったとしても実現しようとしていることを指します。

「志」の意味は、①「やろうと思って心に決めている目標や目的」、②「相手を思いやる厚意」、③「好意やお礼の気持ちを表す贈り物」、④「お布施などの上書きの文字」です。一方、「半ば」は「半分。真ん中。途中」を表します。

つまり、「志半ば」は、志したことを最後までやり遂げることなく途切れて(断念して)しまったことを意味しているのです。

「志半ば」の使い方・例文

「志半ば」は、いろいろな事情で目標などを達成することができなかったわけですから、志を持って目標に取り組んだ人の「無念」の気持ちが表れています。

【例文】

  • 弁護士を目指して司法試験を受験し続けたが、あまりの難関に志半ばであきらめた。
  • 女性社員の地位向上のために管理職になって頑張ったのに、同性に足を引っ張られて志半ばで退職しなければならなかった。
  • 感染症の研究のためアフリカの研究所で働いていた兄は、研究対象のウイルスに感染して志半ばでこの世を去った。

「志半ば」の類語

「道半ば」

「道半ば」とは、直接的には「目的地の途中までしか進んでいないこと」です。しかし、比喩的に「志や目標が達成されていないこと」を表現する言葉として、「志半ば」と同じように使われることがあります。

【例文】

  • 織田信長は、天下統一の道半ばで明智光秀に討たれてしまった。
  • AI技術は、まだ道半ばであり、今後も人と予算がいくらでも必要です。

「未完成/未完」

「未完成/未完」とは、「まだ完成していないこと。まだ終わっていないこと」です。「志半ば」は、志が途切れていることを表しますが、「未完成/未完」は、将来的に完成する可能性が残されている場合もあるという点で異なります。

【例文】

  • 未完成交響曲として有名なシューベルトの交響曲第7番(旧第8番)ロ短調は、第2楽章まで完成しているそうだ。
  • 中学生でプロ棋士になった彼は、その潜在能力の高さから未完の大器として将棋界の注目を集め、未来の名人と言われている。

「夢破れる(夢が破れる)」

」には、①「(主に)眠っているときに見る視覚的な現象」、②「将来実現させたい願い」、③「空想。妄想(もうそう)」、④「はかない」などの意味があります。「夢破れる(夢が破れる)」の「夢」は②の意味で用いられています。

「将来の願いが」破れるわけですから、「夢破れる」は「志半ば」の類語と言えるでしょう。ただし、「志半ば」は実現の可能性がある目標に対して使われ、「夢破れる」は実現困難な願望も含めた事柄に対しても用いられる傾向があります。

【例文】

  • 都会で夢破れた娘は、田舎に戻って両親とひっそりと暮らしていた。
  • 世界的な演奏家を目指していた彼は、夢破れて評論家になったが、その後大成した。

「三日坊主」とは

三日坊主(みっかぼうず)」という言葉をご存じでしょうか。「あきっぽく物事が長続きしないこと、あるいはそういう人」をあざけったり、からかったりするときに使う言葉です。

 
「三日」というのは「短い時間や期間」のことを表し、「坊主」は、僧侶のことを表しています。「僧侶」になるには長い期間、厳しい修行をしなければなりません。「三日坊主」は、修行が「三日」しか続かなかったことに例えて、上記のような意味を持つようになりました。

「志」を立て、それに向かって長い時間努力を惜しまなかった人が、「志半ば」でやり遂げられなかったことと比べると大きな違いがありますね。

【例文】
  • 何事にも三日坊主の妻がダイエットには熱心に取り組んでいる。
  • 三日坊主の私の部屋には、正月三が日のことだけ書いた日記帳が毎年増えていく。

関連するまとめ


人気の記事

人気のあるまとめランキング

新着一覧

最近公開されたまとめ