「身を粉にする」の意味
「身を粉にする」(みをこにする:「こな」とは読まないので注意!)は、全身が粉々になるまで力を尽くすという意味です。粉になってしまうとは、体がバラバラになるまでつらい思いをする、つまり苦労することの例えです。
「身を粉にする」の使い方
「身を粉にする」とは、主に一生懸命働くことで「身を粉にして働く」という形で使われます。苦労を重ねて死にものぐるいで努力することも表現でき、職業以外では生徒会や自治会などで担当した役割などに用いる場合もあります。
「身を粉にする」例文
- 独立して店を立ち上げるために、身を粉にして働いた。
- 祖父が菓子屋に丁稚奉公(でっちぼうこう)をしていた時は身を粉にして修行し、先輩弟子の技術を目で盗もうとしていたそうだ。
- 新人時代に身を粉にするほど働いた経験は、後で絶対に生きてくるよ。
- 地域防災のために身を粉にするくらい取り組んだ結果、自治会長に推薦された。
「身を粉にする」類語
粉骨砕身
「粉骨砕身」(ふんこつさいしん)とは、骨が粉々になり身体がばらばらに砕けることから、自分を犠牲にしてまで力が続く限り尽くすことです。一心に仕事に励む意味で使われる例が多いです。「身を粉にする」と同じように使えます。
【例文】
- 地域の皆様のご期待にそえるよう、粉骨砕身して努力いたす所存にございます。ご支援の程よろしくお願いいたします。
- あんなに粉骨砕身して会社のために尽くしたのに、リストラされてしまった。
身を削る(骨身を削る)
「身を削る」(みをけずる)、または、「骨身(ほねみ)を削る」で、自分の体(体や骨)の一部を削ぐ(そぐ)ことを表します。その例えから、非常に苦労する、ひどく心を痛めるといったことを表現します。「身を粉にする」の場合、ひどく心を痛めるという意味はありません。
【例文】
- 身を削るような辛酸(しんさん)を嘗めて、どん底から這い上がった。
- 身を削ったかいがあり、倒産を回避した。
- 身を削る思いで、解雇を言い渡した。