「立て続け」とは?
意味
「立て続け」(たてつづけ)とは、「つづけざまにするさま」という意味の言葉です。
なぜ「立て」?
つづけざまに何かをすることを指して、なぜ「立て」という言葉を使うのでしょうか?
「立つ」という言葉にはもともと何かが「立ち現れる」のように、姿を現す、(激しく)生じるという意味があります。これに加えて連用形で「立て」という場合には、「動作が終わって間もないさま」「つづげざまに」という意味があるのです。
例えば、「ペンキ塗りたて」「出来たてのパン」の「たて」は、「立て続け」と同じ「立て」です。「三タテを喰らう」(三連続で負ける)などの「立て」も同様です。
「立て続け」の使い方
主に「立て続けに」という形で使う
「立て続け」を使うにあたっては、動作・作用の状況を指し示す助詞「に」を最後に付けて、「立て続けに」という副詞として活用するのが一般的です。
副詞的に使うわけですから、「立て続けに〇〇する」と必ず動詞を伴う点を押さえておきましょう。
2~3回以上連続する物事に使う
「立て続け」を使うにあたっては、最低でも2回、基本的には3回以上同じような物事や動作が連続する場合に使いましょう。
「前回の物事が終わって間もない(もしくは終わっていない)のに、また新たな物事が立つ」さまに使うのがポイントです。現象そのものが意味的に連続していれば、ある程度時間的な間が空いていても、「立て続け」と言うことができます。
特にビジネスメールなどでは、短時間に連続して用件を送らざるを得ない場合に「立て続けに失礼します」という冒頭文が用いられることがありますので覚えておきましょう。
例文
- 〇〇監督は1990年代に立て続けに大ヒット作を生み出し、一躍映画界の注目の的となった。
- 年末に叔母が亡くなってから、先月は祖母が、今月は甥が立て続けに倒れた。不幸な物事は続くものだ。
- 訓練生はダミーの標的に向けて立て続けに拳銃の引き金を引いた。
- (※メールなどで)立て続けに失礼します。先ほどお伝えした件ですが、資料を添付し忘れておりましたので本メールに添付いたします。ご確認ください。
「立て続け」の類語表現
矢継ぎ早
「矢継ぎ早」(やつぎばや)とは、「矢継ぎ」(意味:矢を弓につぎかえること)が早いことに例えて「物事をつづけざまにすること」「つぎつぎと敏速にするさま」という意味を持っています。
「立て続け」よりは実際の時間的間隔が狭いイメージですが、連続している物事ではあれば基本的な同じように使うことができます。「に」をつけて副詞的に使える点も同様です。
【例文】
- 司令官は緊急事態にも動じず、乗員に矢継ぎ早に指示を飛ばした。
- 政府が打ち出した矢継ぎ早の経済対策は、次の選挙を見据えた拙速な戦略だと批判されている。
相次いで
「相次いで」(あいついで)とは、「次々に起こるさま」「続けざまに起こるさま」という意味の言葉です。「相継いで」とも書きます。
使い方は「立て続け(に)」とほぼ同様であると考えて差支えありません。
【例文】
- この街では、人口の急速な増大にともない住宅の建設が相次いでいる。
- 父が過労で倒れたとき、大勢の見舞客が相次いで病室を訪れた。
続けざま
「続けざま(続け様)」とは、「同じ動作が引き続いてやまないさま」「連続するさま」という意味の言葉です。時間的な連続のニュアンスが「立て続け」とよく似ており、こちらも同義語的に使用可能です。
【例文】
- このカーブでは、交通事故が続けざまに起こっている。何らかの対策が必要だろう。
- あの作家は、このところ毎月続けざまに作品を刊行している。何という執筆速度だろう。