「興味が湧く」の意味
「興味が湧く」の「興味」とは、ある物事に心が引きつけられたり、おもしろく感じるという意味です。そして「湧く」には、感情が生じるという意味があります。このことから、「興味が湧く」は、ある物事について「もっと知りたい」「おもしろい」と感じることを意味します。
また、「興味が湧く」ではなく「興味が涌く」と書かれることもあります。「湧く」と「涌く」は同じ意味ですが、「涌」という漢字は常用漢字ではないので避けたほうが無難でしょう。
「興味が湧く」の使い方
例文
- 何も思っていなかったことでも、実際に体験すると興味が湧くことはよくある。
- 人との出会いが興味が湧くきっかけを作ってくれることは珍しくない。
- それまではやる気が出なかったことでも、興味が湧けばやる気が出てくるものだ。
「興味が湧く」ではなく「興味が沸く」としてもいい?
「興味が湧く」という表現が、「興味が沸く」と書かれているのを見たことがある方もいらっしゃるでしょう。「湧く」ではなく「沸く」としても正しいのでしょうか。「湧く」と「沸く」の意味を一つずつ見てみましょう。
「湧く」の意味
- 汗や涙などが出る。
- ある感情や考えが生じる。
- ある物事や現象が次々と起こる。
- 虫などが自然に発生する。
「沸く」の意味
- 水などが熱を加えられてお湯になる。
- 泡を立てて発酵する。
- 金属が熱せられて溶ける。
- さかんに起こる。
- 興奮する。熱狂する。
- 腹を立てる。
「湧く」と「沸く」の区別
それぞれの言葉の意味を大きくとらえると、「湧く」は「生じる」「出てくる」ということを表し、「沸く」は「高まる・興奮する」ということを表すと言えるでしょう。
ある物事に対して「もっと知りたい」と感じることで、感情が高まり興奮して「興味が沸く」としたくなるかもしれませんが、「興味がわく」は「もっと知りたいという感情が生じる」ことを表すので「興味が湧く」と書くほうが適切と言えるでしょう。
「興味が湧く」は「興味を持つ」と同じ?
「興味が湧く」と同じような表現として「興味を持つ」があります。どちらも対象となる物事に対して「知りたい」「おもしろい」と感じるという意味で、特に使い分けはされていないことが多いでしょう。
しかし、「湧く」と「持つ」という言葉の違いに注目すると、「湧く」は先述したように「生じる」という意味を持ち、「持つ」には「所持する」という意味があります。
どちらを使っても「ある物事に興味がある」ということを表現できますが、「興味が湧く」と「興味を持つ」を使い分けたい場合は、興味を持ち始めたその瞬間を強調したいときに「興味が湧く」という表現を使うと良いでしょう。
「興味が湧く」の類語
注目する
「注目する」には、注意を向けること・関心を寄せることという意味があります。人や物事、現象など幅広い対象に対して使うことができます。
【例文】
- 売れていない頃からずっと注目してきた作家が大きな賞を受賞したので、自分のことのようにうれしい。
- 私が人々の動向に注目するのは、もはや職業病と言えるだろう。
好奇心を抱く
「好奇心を抱く」とは、初めてであったり、珍しい事柄に対して興味を持つことです。「興味」ではなく「好奇心」という言葉を使うことで、その物事が自分にとって未知のものであったり珍しいことであるということもあわせて伝えられます。
【例文】
- 初めての海外旅行は、私にとって好奇心を抱くような体験の連続だった。
- 好奇心を抱いた子どもたちの目はキラキラと輝いていた。
魅力を感じる
「魅力を感じる」とは、ある物事に対して人の心を引きつける力や人を夢中にさせる力を感じて興味を持つことです。磁石のように心が引きつけられてしまうような興味を表すのにぴったりな表現と言えるでしょう。
【例文】
- 初めて見たときから、彼女の作品には言葉にはできない魅力を感じている。
- 私が魅力を感じるものは、他の人たちには理解してもらえないことが多い。
関心が向く
「関心が向く」には、ある特定のことに積極的に興味を持って注意を向けることという意味があります。「他のものではなくこれ!」というように、選択的な要素を含んでいる興味を示すときに使ってみると良いでしょう。
【例文】
- 大きな書店には多種多様な本がたくさんあるが、私の関心が向くのは町の小さな本屋さんだ。
- どんなに美味しそうなケーキが並んでいても、私の関心はチーズケーキに向いてしまう。