「先陣を切る」とは?意味や使い方を例文を含めてご紹介

「先陣を切る」という慣用句には「陣」という漢字が含まれます。「陣」は軍隊の配置などを表すので、戦に関係した言葉という印象が強いかもしれませんね。現在は「先陣を切る」を競技や人の様子を表す時に使います。詳しい意味や例文を交えた使い方について紹介します。

目次

  1. 「先陣を切る」の意味
  2. 「先陣を切る」の使い方と例文
  3. 「先陣を切る」の類語
  4. 「殿をつとめる」とは?

「先陣を切る」の意味

「先陣を切る」(せんじんをきる)とは、他よりもいち早く行動を起こしていく様子最初に自らが乗り込み他の人を続かせる様子を表します。

「先陣」は、戦場で本陣(ほんじん:大将のいる部隊)の前に配置される戦闘部隊です。大将を守る立場にあり、敵地に入って突破口を開く役割があります。戦いの矢面にさらされる立場になり、強く勇気のあるのと同時に能力を兼ね備えた者でないと務まらないでしょう。

「切る」には様々な意味がありますが、「先陣を切る」の場合は思い切った行動に出るというニュアンスが含まれます。他よりも先に立って行う、一番早く始めることです。

「先陣を切る」の使い方と例文

「先陣を切る」の使い方を、使う場面を例に挙げて説明します。攻め込む様子やそのような人の性格や様子を表すのに使われます。

最も早く相手方に攻め込む

スポーツなどの団体競技やチーム戦で互いに勝負をかけることがありますね。攻撃の際に、最も早く相手方に攻め入る人、先制攻撃を仕掛けて後の攻めを有利にする様子を表すのに「先陣を切る」と使えます。

【例文】

  • A君は先陣を切って相手方のエリアに向かっていった。
  • 足の速さに定評のあるBくんが、代表選手の先陣を切って勝利を収めた。

リーダーシップがある

「先陣を切る」は、他人に先立って行動を起こし、他の人が続いて行きやすくすることも表せます。そのような人は、他の人から慕われたり、一目置かれていたりすることが多く、リーダーシップがある様子を表すのにも使えます。

【例文】

  • 先陣を切って困難を乗り越える。
  • 彼は様々な妨害に遭っても、先陣を切って後輩への道を切り開いた。

挑戦者・先駆者

人に先駆けて敵が多い場所に突っ込んで行けるということは、挑戦をいとわない性格であるとも言えます。「先陣を切る」人は、勇気があり豪胆で先駆者として活躍の場を広げられる人という印象を与えるでしょう。

【例文】

  • 研究で先陣を切り、新しい品種を生み出した。
  • 大航海時代の先陣を切り、新たな大陸を発見した。

「先陣を切る」の類語

先頭に立つ

「先頭に立つ」(せんとうにたつ)とは、ある集団やグループの一番前に立って、その集団全体を引っ張っていく様子を言います。「先陣を切る」と同様に使え、統率力がある人の様子を表せますね。

【例文】

  • 生徒全体の先頭に立って、指揮を執る生徒会長。
  • 応援団長が他の団員の先頭に立って声援を送っている。

旗振り役

「旗振り役」(はたふりやく)は、旗を振って合図を送ることや送っている人のことを言いますが、派生して物事を行う際に率先して、先に立ちながら周囲の人々に応援を呼びかけて進める様子や人という意味も持ち、リーダーシップがあることを表せます。

【例文】

  • 選挙運動の旗振り役を積極的に行った。
  • Aくんが旗振り役となって、退職する上司へのお別れ会を開いた。

「殿をつとめる」とは?

「殿(しんがり)」とは、戦地ら退却する際に最後尾にいて、大将が逃げるために敵の攻撃を真っ向から受ける部隊を指します。「殿をつとめる」という表現で使われます。

「殿をつとめる」には、「先陣を切る」役目の人と同じように大将を守って攻撃するための武力や危険にさらされる勇気だけでなく、いざという時に捨て身の覚悟を持っていなくては務まりません。

【例文】

  • 豊臣秀吉は、殿をつとめて主君の織田信長を逃し、さらなる飛躍のきっかけを掴んだ。
  • 殿を担う武将は、いざという時に大将の身代わりになる心構えもあったと言われている。

関連するまとめ


人気の記事

人気のあるまとめランキング

新着一覧

最近公開されたまとめ