「人を食ったような」の意味
「人を食ったような」とは、相手を下の立場に見て馬鹿にしたような、偉そうな態度を取っているように見える様子を表す言い回しです。
「人を食う」という慣用句を比喩のように使い、小馬鹿にした態度のようであることを示しています。
なぜ「人を食う」と表現?
相手を軽んじて馬鹿にすることを、なぜ「人を食う」というのでしょうか。文字通りの「本当に人を食べる」という意味ではありません。
常識的に考えて、自分と同族のヒトを食料にしようと考える人は非常に少ないです。そのため、相手を食料とみなすことは、動植物として見ていることとなり、同類とは考えていない印象を持たれるでしょう。
言い換えれば、「人を食う」ということは、人を人として見ずに自分よりも劣っている存在として侮っていることになるかもしれません。相手を馬鹿にしているニュアンスも込められていることがわかりますね。
「人を食ったような」の使い方
「人を食ったような」の使い方について、様々な場面ごとに紹介します。場合によっては、「人を食ったような態度をする人」に悪気はないかもしれません。
しかし、どんな場面であっても「食われる」側の人間にしてみれば、非常に気分が悪く、怒りの気持ちでいっぱいになるでしょう。
相手をからかう様子
相手を小馬鹿にしてからかいの対象にしている場合に、「人を食ったような」という表現が使えます。当人は軽い気持ちでしているでしょうが、程度がひどすぎて相手や周囲の人は不愉快に感じているかもしれません。
【例】
- Aさんは相手の行動や言動について、人を食ったような言い方で笑い者にする。
- 彼は人を食ったような物言いでBさんの欠点をあげつらい、皆を怒らせた。
人を見下す態度・性格
人を見下すような態度をしていたり、そのような性格の持ち主であったりする場合に「人を食ったような」という語句が用いられます。
【例】
- Dさんは、周囲を雑魚扱いする、人を食ったような性格です。
- 常日頃自分よりも他が劣っていると考えているせいか、人を食ったような傲慢な態度だと評判だ。
他人を馬鹿にして思い上がる人
あるグループの中で最も優秀でも、見掛け倒しで優秀なように振る舞っている場合でも、おごり高ぶって周囲を馬鹿にしているところが見えると「人を食ったような」人間とみなされるでしょう。
また、日頃から気分が悪いと感じている周囲の人からは、「思い上がった奴だ」と、逆に蔑みの意味を込めて使うこともできます。
【例】
- あの人は頭が良くても人を食ったようなうぬぼれが強い人なので、誰にも好かれていないよ。
- 本当は大したことないのに、人を食ったようなことばかりして軽蔑されている。
まともに取り合おうとしない話し方
何か質問をしたり、確認をしたりする際に、相手を軽んじてまともに取り合おうとせずに、適当にあしらっている返答の仕方や話し方をする際にも「人を食ったような」という表現の仕方をします。
【例】
- 求人に応募したら、採用担当者から人を食ったような応対をされて頭にきた。
- 若い人の意見に人を食ったような適当な返事をしていると、老害と言われるよ。
「人を食ったような」の類語
「傲岸不遜」
「傲岸不遜」(ごうがんふそん)とは、おごり高ぶって思い上がりが強く、相手を敬う気持ちがまったくない様子を言います。
「傲岸」で気位が非常に高くおごりがあり人に従わない、「不遜」で相手や周囲の人を敬う気持ちが感じられずへりくだる気持ちがないという意味です。同じ意味の熟語を重ねた四字熟語で、自分が最も偉く、他人を尊重しないことを強調しています。
【例】
- 二代目の社長は傲岸不遜な性格で、古参の社員の意見を全く聞こうとしない。
- 傲岸不遜な態度を崩さず、まともな人が離れていった。
「尊大」
「尊大」(そんだい)は、威張りくさっていて偉そうな態度をすることです。自分を上位に置いて、他人を見下しているような様子を指します。
【例】
- あの人はいつも尊大に構えていて、ご機嫌をとらないと怒鳴りつける。
- 尊大な暴君は、いつか追い落とされて誰も相手にしなくなるだろう。
「高慢」
「高慢」(こうまん)は、他人よりも自分の容貌や才能、地位が優れていると得意になって、他の人を侮っている様子を言います。
人の状態を表す語句の後にくる接尾辞「ちき」がついて「高慢ちき」という場合は、周囲から高慢で憎らしく思われている人を指しています。
【例】
- 彼は高慢な振る舞いが過ぎて、同級生に避けられている。
- 高慢ちきな小娘だと、目上の方からお叱りを受けてしまった。