「世知辛い」の意味
「世知辛い」の意味は以下の通りです。
- 打算的である。抜け目がない。
- 世渡りが難しい。暮らしにくい。
「世知」は、仏教用語の「世間知」と同義で、「世俗の知恵(世情に詳しい。世渡り上手)」を意味し、そこから「世渡りの知恵。けちなこと。勘定高いこと」といった意味を持ちます。一方、「辛い(からい)」は、「つらい。せつない。苦しい。容赦がない」という意味です。
「世知辛い」の「世渡りが難しい。暮らしにくい」という意味は、「勘定高い人、打算的な人が多い世の中は暮らしにくい」という意味から派生したものです。
「世知辛い」の使い方
【例文】
- 最近ニュースを見ていると消費税増税や保険料負担増など家計に厳しい事ばかり言っている。本当に世知辛い世の中になったものだ。
- 我が国の失業者数は年々増加している。世知辛い社会の中では当然の事なのかもしれない。
- 彼は友人にお金を騙し取られてからとても世知辛い人間になってしまった。
「世知辛い」の類語
「世知賢し」
「世知賢し」は、「せちがしこし」と読み、「打算に長けている。勘定高い」という意味を持ちます。
【例文】
- この厳しい世の中を渡り歩くためには彼のような世知賢い人間になりなさい。
- 彼女のように勘定高い人間を世知賢い人間と呼ぶ。
「ずる賢い」
「ずる賢い(ずるがしこい)」には、以下のような意味があります。打算的や勘定高いというニュアンスを持つ点において「世知辛い」の類語と言えます。
- 悪知恵がはたらいて、狡猾(こうかつ)である。
- 自分の損得に関して利口である。
【例文】
- 彼はとてもずる賢い人間で、普段は横柄な態度をとっているが、上司の前では従順な人間のように振舞っている。
- 爽やかで人当たりの良い後輩が実はずる賢い人間で、自分の仕事を何かと理由を付けて他人にやらせていた。
- 彼のようにずる賢い人は、出世は出来ても友人に恵まれないだろう。
「こざかしい」
「こざかしい」は漢字で書くと「小賢しい」となります。意味は以下の通りです。
- 利口ぶって生意気である。
- 能力や誠実みが伴わないのに、口だけはうまい様子
- 悪賢く、抜け目がない。
【例文】
- 彼のような小賢しい人間の言うことなど信じられない。
- 彼女は、上司の目を意識して小賢しい振る舞いが目だつ。
「生きづらい」
「暮らしにくい」という意味を生活しづらいと捉えると「生きづらい」も、「世知辛い」の類語と言えます。「生きづらい」の意味は、「生きる事が難しい。思うように生きられない」ことです。
【例文】
- 私にとって今の日本はとても生きづらい国だ。
- 高齢化社会が進むにつれて日本は若者にとっても、高齢者にとっても生きづらい国になっていくだろう。
「世知辛い」を英語で
世渡りが大変、生活しづらいという場合は、「difficult」や「cold」を利用します。また抜け目がないを意味する場合は、「astute」を使うと良いでしょう。
【例文】
- Today's Japan has become a very cold country.(今の日本はとても世知辛い国になってしまった。)
- A disturbing incident was reported on the news.What a world of difficult.(物騒な事件がニュースで流れていた。なんて世知辛い世の中なんだ。)
- He has become a very astute person since her friend deceived.(彼は友人に騙されて以来、とても世知辛い人間になった。)
- An astute person like her will succeed.(彼女のような世知辛い人は成功を収めるだろう。)