「こともなげに」の意味
「こともなげに」は漢字で「事も無げに」と表記します。意味は以下の通りです。
- 何事も無いかのように平気な様子
- はたの者の心配や思惑に関わらず、当人は別に大した事だとも思っていない事
「こともなげに」は、特に苦労することもなく簡単にやり遂げてしまう、物事に頓着せずに軽く考えているといった様子を表現しています。つまり、「簡単に」「あっさりと」ということですね。
「こともなげに」の使い方
「こともなげに」は話の内容の良し悪しに関わらず使用する事が可能です。
- 私が頭を抱えていた仕事を彼はこともなげにやってのけた。
- 彼はこともなげに三人分の夕食を作り上げた。
- 彼の一世一代の告白はこともなげに断られてしまった。
「こともなげに」の類義語
「軽々と」
「軽々と」とは「軽く見えるさま。容易そうなさま」という意味です。「容易く」という意において「こともなげ」に類する用語と言えます。
【例文】
- 中学生の友達は軽々と大学生レベルの問題を解いてしまった。
- 彼女は初めて間もないダンスで軽々と大技を決めた。
「軽々と」に似た言葉に「軽々しい」があります。こちらは「軽率なさま」を指す言葉ですから、「こともなげに」とは共通点がありません。
「容易に」
「容易に」は「たやすいこと。やさしいこと」という意味があります。「こともなげに」とは「簡単に」という意で共通しています。
【例文】
- 私が数時間かかった問題を彼女は容易に解いてしまった。
- 容易に済ませることは時に失敗を招いてしまう。
「難なく」
「難なく」は「困難なこともなく、やすやすと」という意味です。こちらも「簡単に」という意において「こともなげに」に類する言葉です。
【例文】
- 彼は初めてのスノーボードにも関わらず難なく乗りこなした。
- 彼女は難なく大学に合格した。
「あっけなく」
「あっけなく」は感じでは「呆気なく」と書きます。物事が予想したよりも簡単、貧弱で物足りない様子を表す言葉です。「あっさりと」というニュアンスにおいて、「こともなげに」に通ずるところがあります。
【例文】
- 大方の予想に反して、彼はあっけなくチャンピオンを倒して見せた。
- 我々が練りに練ったアイディアは、企画会議であっけなく退けられた。
「こともなげに」の対義語
「こともなげに」は「簡単に・あっさりと」ということですから、対義語には「やっとの事」「苦労して」という意の言葉が挙げられます。
「何とか」
「何とか」には以下の意味があります。2と3の意では、「こともなげに」の対義語となり得るでしょう。
- はっきりしない物事を指す
- どうにか。苦労しても。
- かろうじて。やっと。
【例文】
- 与えられた仕事を何とか今日中に納めることが出来た。
- 何とかして彼女の気を引きたい。
- 次の模試では何とかしてA判定をとりたい。
「かろうじて」
「かろうじて」は漢字では「辛うじて」と書きます。「辛」という字には「つらい」という意があるので、「かろうじて」は「(つらい思いをして)ようやく。やっと。」
【例文】
- かろうじて最終電車に乗る事が出来た。
- 徹夜で勉強をしたおかげでかろうじて補習を受けずに済んだ
「こともなげに」を英語で
「こともなげに」を英語に直訳するのは難しいので、「何事もなく」「難なく」などの表現に置き換えると良いでしょう。
- as if nothing had happened(訳:何事も無かったかのように)
- without difficulties(訳:何の困難もなく)
- casually(訳:平気で)
【例文】
- I succeeded in the difficult experiment as if nothing had happened.(訳:私は難しい実験をこともなげに成功させた)
- He passed university without difficulties.(訳:彼はこともなげに大学に合格した)
- He smoked cashually in a non-smoking room.(訳:彼はこともなげに禁煙室でたばこを吸った)