「見受けられる」とは?意味や使い方をご紹介

「見受けられる」とは、「見受ける」に助動詞「~(ら)れる」が付いた表現です。ある程度の客観性をもって物事を言い表せる言葉ですので、ぜひ使い方を覚えておきましょう。今回は「見受けられる」の意味や使い方を、類似表現や英語表現も含めつつご紹介します。

目次

  1. 「見受けられる」とは?
  2. 「見受けられる」の使い方
  3. 「見受けられる」の類似表現
  4. 「見受けられる」を英語で言うには

「見受けられる」とは?

「見受けられる」は、見て取る、見て判断するという意味の「見受ける」に、自発・可能・受身を表す助動詞「~れる(られる)」がついた表現であり、すなわち、何かを「見て取ることができる」「見て判断することができる」という意味の言葉です。

「見る」という言葉には、目によって物理的に何かを認識するという意味以外にも、「物事を甘く見る」のように物事を判断するという意味があります。

この「見受けられる」も同様に、ただ「認識することができる」だけに限らず、「情報を判断する」意味があることをまずは覚えておきましょう。

「見受けられる」の使い方

「見受けられる」には、以下の二つの使い方があります。

  1. (事実として)見られる、見かける
  2. (推測として)自然に判断される

このうち1は目による物理的な事実の認識であり、2はその事実を基にした自発的な(自然に起こる)判断です。ただし、1と2の使い方は完全に分離しているわけではなく、混同された文脈で使用されることがありますので少し注意が必要です。

どちらの使い方でも共通しているのは、「ほぼ誰にでも(第三者にも)同じ事実が受け取られ、そして自然に同じことが判断されるだろう」という、ある程度の客観性です。

客観的な文書で使用できる

客観性をもって物事を判断する「見受けられる」は、客観性が求められる文書(論文、報告書など)で使用するのに適しています。

もともとの語形が「見受ける」と受動的な形であることに加え、受身・自発・可能を表す助動詞がついていますので、自分の主観的な目というよりも、客観的に(第三者視点で)このようなことが言える、と言い表すことができます。

とくに、誰もが同意できる事実から一歩踏み出して、「当然、こうしたことが言える」と論理を展開したい場合などに活用できるでしょう。

例文

  • 学校が終わる時間になると、多くの子どもたちが通学路を下校していく姿が毎日見受けられる。(事実)
  • 傲慢で自分勝手な人間というものは、社会のそこかしこに見受けられるものです。(事実と推測)
  • 調査報告書を拝読しましたが、現状の組織運営のありかたには、いくつかの問題が見受けられますね。(推測)

「見受けられる」の類似表現

見て取れる

見て取れるは、「見て、何らかの情報をすばやく知る、察知する」という意味の言葉です。「見受けられる」と非常に意味が近いですね。

ただし、以下のような細かなニュアンスの差があります。

  • 見て取れる…見て、情報を取って判断する
  • 見受けられる…見て、判断する

「取る」という文脈がないぶん、「見受けられる」のほうが客観性の高い言葉ですので、はっきりと主観を排した結論や意見が求められるシーンでは「見受けられる」を使ったほうがよいでしょう。

見られる

「見られる」は、文字通り「見ることができる」(自発・受身・可能)という意味です。こちらも「見受けられる」とほぼ同義であると考えて構いません。

ただ、「見て・受ける」とワンクッション置いている「見受けられる」のほうが、丁寧かつ客観的な視点に立って使うことができますので、その使い方の差のみ覚えておきましょう。

「見受けられる」を英語で言うには

「見受けられる」を英語で表現したい場合には、以下のように「見る」「(自然に)現れる」「思う」などに関係する単語を用いると良いでしょう。

  • look
  • appear
  • seem
  • see

他に「think」(考える)なども意味が近いのですが、自主的に考察して判断するというニュアンスを含めてしまうと、「見受けられる」の意義からは少々離れてしまいますのでご注意ください。

例文

  • He looks very clever.(彼はとても賢そうに見受けられる)
  • There appeared to be no one there.(そこには誰もいないように見受けられた)
  • She seems sick.(彼女は病気のように見受けられる)

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