「万死に値する」とは
「万死に値する」は「ばんし・に・あたい・する」と読みます。元々は中国語(漢文)の成句・慣用句で、「罪該万死(=罪は万死に該する)」が日本語の中でも用いられるようになったものだとされています。
「万死に値する」の意味は「(その人の犯した罪や悪行は)一万回の死刑にも相当する(ほど重い)」といったものとなります。
ここで言う「一万回」というのは、中国語に特有の強調表現です。そのため実際にそれだけの回数が行われるわけではないのですが、「何度処刑しても足りなく感じる」ほど「悪い」、あるいは「憎い」と思う、感情の発露した表現だと言えます。
アニメ『機動戦士ガンダム00(ダブルオー)』に登場するキャラクター「ティエリア・アーデ」のセリフをはじめ、創作物ではよく聞く表現ではありますが、実生活の中で耳にすることは少ないかもしれません。
「万死に値する」の使い方
- 身勝手な理由で他人を傷つけた、その罪は万死に値する。
- 尊い命を奪われた人にとって、危険運転は万死に値する大罪なのです。
- 私が何者か知っていてのこの無礼、万死に値するぞ。
「万死」を用いた成句
「万死」には、上で説明した「何度も死ぬこと」のほかに、「とうてい生命が助からないこと」という意味もあります。
これも「死」という言葉を強調した表現であり、「九死に一生を得る」と言った際の「九死」と同様の意味合いです。この「万死」を用いた表現、「万死一生」について見てみましょう。
万死一生
「万死一生」は「ばんし・いっせい(いっしょう)」と読み、「ほとんど助かるとは思えないほどの危険な状態」、もしくは「そうした危機的状況からどうにか逃れること」を表しています。
後者は「九死に一生を得る」と全く同じ意味であり、「万死を出でて一生に遇う」や「万死に入りて一生に遇う」と言っても同じことです。