「節がある」の意味
「節がある(ふしがある)」とは、「~という点がある」「そのようにも思われる」という意味の言葉です。明確な根拠は無いものの、その人の言動や様子などから、隠していることや心に留めていることがありそうだと感じたときに使います。
また、「思い当たる節がある」という表現もよく使われています。こちらは「言われてみると、たしかに該当する点があることに気づく」といった意味で用いられています。
「節がある」の使い方
「節がある」は、基本的に文末で用いることが多い表現です。自分の考えや意見を述べた後に付与することで「~という点がある・~と思われる」という意味を加えます。
また、ビジネスシーンなどでも活用しやすい言葉です。「状況からしてほぼ間違いないが、確実な証拠が無いので断定はできない。それでも、有益な情報なので報告はしておきたい。」といったケースでは「節がある」を用いるのが適しているでしょう。
表現を柔らかくする使い方もある
他にも、「明確な証拠はあるものの、ストレートには言いにくい」ような物事を報告する際に、あえて「節がある」を用いて表現を柔らかくする使い方もあります。
なお、やや堅いイメージのある言葉なので、フランクな会話や雑談などでは「可能性がある」や「~かもしれない」といった表現のほうが場に適していることもあります。状況によって使い分けるのが良いでしょう。
「節がある」の例文・使用例
- あの夫婦の会話を聞く限りだと、どうも関係が上手くいっていない節がある。
- あの社長は、私たちの知らない何か重要なことを隠している節がある。
- 彼は努力すれば何でも手に入ると思い込んでいる節がある。
- ここ最近の彼女の仕事ぶりを見ると、どうもモチベーションが下がっている節がある。
「節がある」の由来
「節」には、以下のような意味があります。
- 竹などの植物の茎の、区切りとなっているふくらみのある部分。
- 関節。
- 結んだりした糸の、こぶのような形をした所。
- 区切り。段落。
- ところ。(…と思われる)点。
- 音楽の旋律。メロディー
このうち、「節がある」の「節」は上の5の意味で使われており、「(着目すべき)点や箇所」を表しています。
「節がある」の類語
虫の知らせ
「虫の知らせ」とは、「良くないことが起こりそうだと感じる」ことを指します。なおここで言う虫とは、中国の道教の教えにおいて、体内に存在しているといわれる「三尸(さんし)」という三匹の虫に由来しています。
【使用例】
- 彼は亡くなる直前に旧友の元を訪ねていたそうだが、もしかすると虫の知らせがあったのだろうかねぇ。
予兆がある
「予兆(よちょう)がある」とは、「何かが起こることを予感させる現象や変化」があることを言います。おもに「天候」「動物」「植物」などに現れる変化に対して使われます。
【使用例】
- カエルが大声で鳴いていたり、ツバメが低く空を飛んでいたりといったように、雨が降る前には必ず何らかの予兆があるものだ。
ピンとくる
「ピンとくる」とは、周囲の状況や相手の態度や直感などから、隠された事情や理由などを感じ取ることを言います。また「直感的に自分の感性や好みに合う」という意味でも使われます。
【使用例】
- このイラストにピンとくる人は、おそらく僕と趣味が合う。
きらいがある
「きらいがある(嫌いがある)」とは、「傾向がある」「~する場合が多い」という意味の言葉です。基本的に「良くない・悪い」傾向の物事に対して使われることが多いです。
【使用例】
- 彼女は何事にも慎重になりすぎるきらいがあるが、それが丁寧な仕事に結びついているという見方もできる。