「一丸となって」とは
「一丸となって」とは、「一丸」と「となって」から構成されるフレーズです。「一丸」自体は、「心を一つにしたひとかたまり」、「一つにまとまること」という意味です。「一丸」に「となって」が合わさって、「一丸」の状態を持続的に表現しています。
「一」という字は、「一因」など「一貫性」などの熟語に見られるように、「ひとつの」「一度の」などの意味を表します。では、「丸」という字はどのような意味を持っているのでしょうか。「丸」の意味について、見ていきましょう。
「丸」の意味
「丸」は、音読みでは「がん」、訓読みでは「まる」と読みます。読み方によって、それぞれの意味も変わってきます。
まず、「丸」を「まる」と読む場合は、まるい形やまるい物を原点として、「問題の正解を表す〇の印」「城郭の内部の一区画(例:本丸)」など、いろいろな意味に転じます。
「丸」を「がん」と読む場合は、「丸い粒・塊」、さらには、「丸薬」、「魚肉などをたたいて団子状にしたもの」という意味です。特に、「地黄丸」などの薬の名前として使われています。
「一丸となって」の「一丸」は「がん」と読むことからもわかるように、団子状を連想させるようなひとつの「かたまり」や「まとまり」という意味を表しています。
「一丸となって」の使い方と例文
「一丸となって」は、困難に立ち向かう時や皆がまとまって事に当たる時などによく使われる、気持ちや精神を鼓舞するフレーズです。
例文
- 一丸となって事に当たるように社長から指示があった。
- 今日は、総力戦になりそうだ。チーム一丸となって試合に臨もう。
- この難局を乗り越えるには、全員が一丸となって対応するだけだ。
- このプロジェクトは、我が社の命運がかかっている。社員一丸となって取組む方針だ。
「一体となって」との違い
「一体となって」というフレーズがあります。一見すると、「一丸となって」と同じような意味と思われる方も多いのではないでしょうか。しかし、「一丸となって」との違いがあります。
「一体」は、「一つの体」、「同一の体のようになっている」、「一つにまとまっている」などの意味を持っています。「一丸となって」も、「一体となって」も、どちらも「一つにまとまる」という意味においては同様のものになっています。
しかし、「一つにまとまる様子」について以下のような違いがあります。
- 「一丸」:複数のものを集めた一つの集合体(分けられる)
- 「一体」:複数のものが、一つになること(分けられない)
「一丸となって」の類義語
「一丸となって」の類義語としては、以下のような表現が挙げられます。
- 総動員で
- 一致団結して
- 皆で束になって
- 総力を結集して
- 一つになって
いずれの表現も、「全員の力を合わせて事に当たる様子」や「複数の人が同じ目的を持って行動する様子」を表していることがわかりますね。
「一丸となって」が使われた記事
最後に、「一丸となって」が使われた記事についてご紹介します。
〃「なかなか簡単には勝たさせてくれないチームなので、何とかみんなで一丸となって頑張りたい」と意気込んだ。〃
2019年11月15日 スポーツ報知
〃インドのモディ首相は28日、与党インド人民党(BJP)の会合で映像を通じて演説し、「インドは一丸となって戦い、共に勝つ」と語った。〃
2019年2月28日 日本経済新聞