「身を案じる」とは?意味や使い方を例文を含めてご紹介

「身を案じる」とは、端的にいえば対象となる人物の状況を心配することです。案じる内容は、その人物の健康や立場、状態などを幅広く含み、その状況によって変化します。今回は、「身を案じる」の意味と使い方を、例文も含めてご紹介します。

目次

  1. 「身を案じる」とは?
  2. 「身を案じる」の使い方・例文
  3. 「身を案じる」の類語

「身を案じる」とは?

「身を案じる」は、対象とする人物を心配するという言い回しです。「身を案ずる」とも言います。その心配の内容は、健康、立場、状態など多岐にわたり、対象の人物が置かれた状況に応じて変わります。

「身を案じる」で使われている「身」は、「身体・自分自身・身分・立場」などを表します。そのため、上記のように心配の内容が多岐にわたるのです。

「案じる(案ずる)」は、「ある対象のことを、心にかけて心配する」「考えたり、様々に工夫する」という二つの意味がありますが、「身を案じる」の「案じる」は前者の意味です

したがって「身を案じる」は、対象とする人物を、健康、立場や状態など様々な面を心にかけて心配するという意味になります。

「身を案じる」の使い方・例文

多くの場合、心にかけて心配するのは、身近な人のこと。そこで、「身を案じる」も、多くは家族などの自分に近しい存在に対して用いられるます。しかし、「身を案じる」対象となり得るのは、自身も含めたあらゆる人です。

「上司に強く意見してしまった我が身を案じる」こともありますし、同僚に「無理はせず、まずは自分の身を案じてくださいね」と伝えることもあります。また、「被災地の人たちの身を案じる」というように、面識のない人の心配をすることもありますね。

なお、目上の人本人や周囲の人に対して使う場合は、「先生の御身を案じておりました」のように、「身」と「案じる」それぞれを丁寧表現にすると良いでしょう。

「身を案じる」の用例

(A男)

友人のカメラマン鈴木君は、まわりが止めるのも聞かずにシリアの危険地域に入ってしまった。皆が彼の身を案じているところだ。

(B子)

課長が交通事故にあって入院したとご家族から連絡が入ったの。課長の身は案じているけれど、まずは穴があいた仕事を皆で手分けしましょう。

(C男)

子供たちに勉強しなさいと言い続けていたら、自分がリストラにあってしまったよ。まずは自分の身を案じろ、っていうことだよな。

(D子)

アイドルのAが、ライブツアーの最中に行方不明になり、昨日のライブは中止になったの。事件か事故か、ファンは彼の身を案じて大騒ぎよ。

「身を案じる」の類語

「心配する」

「心配する」は、「物事のなりゆきなどに心を悩ます」、「気にかけて世話をし面倒をみること」という二つの意味があります。「身を案じる」の類語となり得るのは、一つ目の意味においてです。

【文例】親は子供がいくつになっても心配するものだ。

「安否を気遣う」

安否とは、安全か否かを問うこと。したがって、「安否を気遣う」は、「その対象が安全でいるかどうかを心配する」という意味です。

ある人の心配をするという点は、「安否を気遣う」は「身を案じる」と共通しています。しかし、「身を案じる」では心配の内容が多岐にわたりますが、「安否を気遣う」においては、身の安全に絞られていることに注意しましょう。

【文例】遭難した彼の安否を気遣い、親しい仲間たちは、いてもたってもいられない思いでいる。

「胸を痛める」

「胸を痛める」とは、「ひどく心配する」という意味の慣用句です。心にかけて心配するという意味では「身を案じる」に近い表現と言えるでしょう。

ただし、「胸を痛める」は、「激しい内紛に心を痛める」のように物事に対して用いられますので、人について言う場合は、「彼女の身に起こった不幸に胸を痛めている」といった形になります。また、「胸を痛める」は自分に起こった事柄に対しては使いません。

【文例】​彼女は母親が病に臥せっていることに心を痛めている。

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