万難を排してとは?万難を排しての意味
あらゆる困難や障害を排除して、何が何でも成し遂げるという強い意志や決意を表す表現
万難を排しての説明
「万難を排して」は、「ばんなんをはいして」と読み、文字通り「数多くの困難(万難)を排除して(排して)」という意味を持ちます。ここでの「万」は実際の数ではなく「あらゆる」という意味で、あらゆる障害やトラブルを乗り越えるという強い覚悟を示す際に用いられます。この表現は日常会話ではあまり使われず、どちらかというと格式ばったシーンや、重要な決意表明が必要な場面で効果的に活用できます。例えば、プロジェクトの成功に向けた強いコミットメントを示すときや、どうしても参加してほしいイベントへの招待状などで使用すると、相手にこちらの真剣さが伝わりやすいでしょう。
いざという時の強い意志表明にぴったりの表現ですね!
万難を排しての由来・語源
「万難を排して」の語源は、中国の古典に由来するとされています。「万難」は「あらゆる困難」を意味し、「排して」は「排除する」「押しのける」という意味です。この表現は、明治時代以降の日本で広く使われるようになり、特にビジネスや格式のある場面で強い決意を示す言葉として定着しました。元々は漢文調の硬い表現でしたが、次第に日本語の慣用句として浸透していきました。
歴史を感じさせる重みのある表現ですね!
万難を排しての豆知識
面白いことに「万難を排して」は、実際に一万個の困難があるわけではありません。ここでの「万」は「非常に多くの」という意味で、中国語の数詞の特徴を反映しています。また、この表現は招待状などでよく使われますが、実は相手に強いプレッシャーを与える可能性もあるので、使用する相手や状況には注意が必要です。若い世代ではやや堅苦しい印象を与えることもあるため、カジュアルな場面では「絶対に」「何が何でも」などの言い換えが好まれる傾向があります。
万難を排してのエピソード・逸話
トヨタ自動車の創業者である豊田喜一郎氏は、自動車産業への参入にあたり「万難を排して国産自動車の開発に成功させる」と宣言しました。当時は海外メーカーの技術優位が圧倒的で、周囲からは無謀だと言われたものの、あらゆる困難を乗り越えてトヨペットAA型の開発に成功。この強い決意が、現在のトヨタの世界的成功の礎となったのです。また、ホリエモンこと堀江貴文氏も、ライブドア買収時に「万難を排してこの計画を実行する」と発言し、大きな話題となりました。
万難を排しての言葉の成り立ち
言語学的に見ると、「万難を排して」は漢語由来の四字熟語的表現です。「万難」が名詞句、「を」が格助詞、「排して」が動詞のテ形という構造で、文法的には「〜を排して」という動作の対象を示す表現です。この表現の特徴は、漢語の持つ格式ばった響きと、動詞「排す」のやや古風な語感が組み合わさっている点にあります。現代日本語では「排除して」と言い換えることも可能ですが、「排して」の方が文語的で威厳のある印象を与えます。また、この表現は慣用句として固定化されており、個々の語を入れ替えることはできません。
万難を排しての例文
- 1 締切直前のプロジェクトで「万難を排して今夜中に仕上げます!」と宣言したはいいけど、結局徹夜でなんとか間に合わせたあの日々
- 2 親友の結婚式にどうしても出席したいから、有給も取ってスケジュールも調整して万難を排して参加するんだと意気込んでた
- 3 子どもが初めての舞台に立つ発表会、万難を排して仕事を調整して見に行くと決めていたのに、直前で大事な会議が入ってしまった
- 4 大好きなアーティストのライブチケットが取れたから、万難を排して行くって約束してたのに、当日になって急用が入って泣く泣く諦めた
- 5 家族旅行の計画を立てて「今回は万難を排して絶対に行こう」って盛り上がってたのに、結局仕事の都合で延期になってしまった
使用上の注意点とTPO
「万難を排して」は強い意志を示す表現ですが、使い方によっては相手にプレッシャーを与える可能性があります。特にビジネスシーンでは、適切な場面で効果的に使いましょう。
- 招待状では「万難を排してご参加ください」よりも「ご多忙中恐縮ですが」などの柔らかい表現を先に使う
- 自分自身の決意表明として使う場合は問題ないが、他人に要求する形では控えめに
- カジュアルな会話では冗談交じりで使うのが無難
- 書面では漢字で「万難を排して」、話し言葉では「ばんなんをはいして」と読む
若手ビジネスパーソンが上司に「万難を排してこの企画を通します!」と宣言するのは好印象ですが、逆に上司が部下に「万難を排してやれ」と言うとプレッシャーになりがちです。
類語との使い分け完全ガイド
| 表現 | ニュアンス | 適した場面 |
|---|---|---|
| 万難を排して | 格式ばった強い決意 | 重要なビジネスプロジェクト・式典 |
| 是が非でも | 手段を選ばない意志 | 目標達成・交渉事 |
| 何が何でも | カジュアルな強い意志 | 日常会話・友人同士 |
| 石にかじりついても | 苦労を厭わない覚悟 | 困難な挑戦・修行 |
| 万障お繰り合わせの上 | 丁寧な招待の表現 | 公式なイベント招待状 |
「万難を排して」はその格式の高さから、取引先との重要契約や会社の命運をかけたプロジェクトなど、特に重大な場面で使うと効果的です。一方、日常的な目標には「是が非でも」や「何が何でも」を使うのが自然です。
歴史的な使用例と文化的背景
「万難を排して」は明治時代の近代化の中で、西洋の概念を翻訳する際に頻繁に使われた漢語調の表現の一つです。特に軍事的・政治的な文書でよく見られ、国家の大事を成し遂げるという文脈で使用されていました。
我が国は万難を排して近代化の道を進まねばならない
— 明治時代の政治家
戦後はビジネスシーンで使われるようになり、経済成長期には「万難を排して輸出拡大を図る」といった企業のスローガンとしても頻繁に登場しました。現在では格式のある表現として、伝統的な企業や公的な機関で好まれる傾向があります。
よくある質問(FAQ)
「万難を排して」はビジネスメールで使っても大丈夫ですか?
はい、問題なく使用できます。特に重要なプロジェクトの決意表明や、どうしても参加してほしい会議への招待など、格式のあるシーンで効果的です。ただし、多用すると重々しくなるため、本当に重要な場面で使うのがおすすめです。
「万難を排して」と「是が非でも」の違いは何ですか?
「万難を排して」は「あらゆる障害を排除して」という意味で、外部の困難に焦点があります。一方「是が非でも」は「手段を選ばずに」というニュアンスで、自分の意志の強さを強調する表現です。状況に応じて使い分けると良いでしょう。
カジュアルな会話で使うと変ですか?
やや堅い印象を与えるため、友達同士の日常会話では不自然に感じられることがあります。カジュアルな場面では「絶対に」「何が何でも」などの言い換えが自然です。あえて使うなら冗談めかして使うのがおすすめです。
目上の人に使っても失礼になりませんか?
目上の人に対しても使用可能です。むしろ、格式のある表現なので、取引先や上司への強い意志表明として適しています。ただし、「万難を排してご参加ください」など、相手に要求する形で使う場合は、状況によってはプレッシャーになる可能性もあるので注意が必要です。
英語で似た表現はありますか?
「at all costs」や「by all means」が近い表現です。例えば「I will succeed at all costs」は「万難を排して成功させる」という意味になります。ビジネス英語では「against all odds」も困難を乗り越えるニュアンスで使われます。