「体制を整える」:意味
「体制を整える」とは「組織や構造のあり方を見直す」という意味の文言です。現在のあり方を調整して、合理化や効率化を図り、良い状態にもっていくことです。
「体制」とは、国や会社などにおける「組織や社会の仕組み」のことを表します。社会や組織を秩序立てて維持するための、ある種の基本原理や方針のことです。
英語では、「system(組織)」、「structure(構造)」などの単語を使って表されます。「system」は、カタカナ語「システム」として定着していますね。
具体例
体制を整えるための方策の具体例をいくつか挙げます。実際には、それぞれの組織が自分たちの方針に沿ってさまざまな手段を講じますから、あくまでも一例です。
- 「無駄を省く」
- 「余剰人員・設備を削減する」
- 「新しい技術・設備の導入」
- 「労働組織・管理体系の計画的再編成によって、労働生産性の向上を図る」
「体制を整える」:例文
- 残念ながら、大規模な自然災害が続いている。災害時にすぐに対応できるような体制を整える必要があると感じた。
- 今すぐにでも体制を整えるべきだ。
- 与党は最近スキャンダルが目立ち、体制を整えようと必死だ。
- 満足してもらえる体制を整えなければ、顧客は離れていくだろう。
「体制」「態勢」「体勢」違いは?
「たいせいを整える」の「たいせい」には、『体制』『態勢』『体勢』どの漢字を使うか分かりますか?
正解は全部です!!
と言っても、好きな漢字を使っても良いということではありません。意味に応じて変える必要があります。
体制
先述した通り、「体制」は「組織や社会の仕組み」のことです。これは、持続している組織、制度のことや長期的な仕組み、システムのことを表します。
政治でもよく使われる『新体制』『社会体制』などは、国家としての統一された長期的な組織の仕組みといえるでしょう。
態勢
「態勢」は「物事に対処するための身構えや態度」「事態に対応するための準備ができている状態」と意味を持ちます。
簡単に言えば、「物事に対する態度」という意味です。「体制」に比べると一時的なニュアンスの強い言葉です。
『受け入れ態勢』『厳戒態勢』『万全の態勢で臨む』など、長期的に続くものではなく、突然起こったことなどに対応するために身構えるという状況です。
体勢
「体勢」は「体の構え」「姿勢」のことを表します。例えば、『くつろいだ体勢をとる』『苦痛な体勢』など、実際に動きとして形成している身体の型のことです。
「態勢」が、身構えるという「心」を表す言葉だとすれば、「体勢」は「身体」を表す言葉であるといえましょう。
まとめ
「たいせい」がそれぞれ違う役割を示す言葉であることが、ご理解いただけたのではないでしょうか。
同じ言葉であっても、長期的、臨時的などの状況から、どの「たいせい」を使うのかを見極める必要があります。
【「たいせいを整える」:漢字別の意味】
- 「体制を整える」:組織のあり方などを見直す
- 「体勢を整える」:身体の構えや姿勢を正しくする
- 「態勢を整える」:準備万端になる
「体制を整える」:まとめ
ニュースや新聞では、新内閣を表す言葉として「安倍新体制」という言葉がよく使われています。政治のような国がらみの組織は、まさに「体制」の代名詞といえるでしょう。
是非とも、自分たちの利益を追うことなく、日本国民のために、しっかりと「体制を整えて」より良い日本を築いてほしいものですね。