「眉尻を下げる」とは?
「眉尻」とは?
「眉尻」(まゆじり)は、眉毛の一番こめかみ側を指します。この場合の「尻」は下半身の部位ではなく、「うしろ」の意味です。眉毛の外側の両端を「尻」で表すのに呼応するように、内側の両端には「さき」の意味での「頭」が使われます。
- 「眉尻」(まゆじり):眉毛の顔の外側に近い部分
- 「眉頭」(まゆがしら):眉毛の顔の中央に近い部分
「眉尻を下げる」の意味
「眉尻を下げる」とは眉尻が下の方へ下がっている状態で、悲しみや心配、落胆の表情の描写です。悲しい顔や困った顔を指します。
「眉尻を下げる」の使い方
- どうにか笑顔を保とうとしているが、みるみる眉尻が下がっていった。
- あの人はいつも眉尻が下がっているが、よほど辛いのだろうか。
眉尻とメイク
身だしなみの一つである眉毛のお手入れ。男女を問わず、気にかけている方も多いでしょう。ところが、うっかり下がり眉に描いてしまうと、困っているわけでもないのに困り顔になってしまいます。
「眉尻を下げるメイク」は「困り顔メイク」
眉頭から眉尻に向かって下がっていく眉メイクをすると、困り顔メイクになってしまいます。困り顔メイクは、冴えない表情に見えるのはもちろん、顔の重心が下がって見えて頬がたるんでいると感じさせたり、太って見えることすらあるそうです。
眉尻の下がった表情にならないように気をつけるのも大切ですが、自ら眉尻の下がった化粧を施してしまわないよう気を付けたいものです。
眉メイクのポイント
「眉尻を下げる」メイクにならないためには、以下の点に気を付けましょう。
- 眉頭を一番高くしない
- 眉山を一番高くする
- 眉尻は眉頭より低くしない
「眉を下げる」
「眉尻」ではなく、「眉を下げる」という表現を使う人もいるようですが、これは誤用です。「眉尻を下げる」や、後述する「目尻を下げる」と言った目周りの表現との混用でしょう。
実際の用例を見ても、「眉尻を下げる」の意味で使っている人もいれば、「目尻を下げる」の意味で使っている例もあり、誤用の結果であることがうかがわれます。
【誤用例】
- 誤:眉を下げて八の字型にして、嫌がって見せた。→正:「眉尻を下げて」
- 誤:眉を下げてニヤニヤして喜んでいる。→正:「目尻を下げて」
「眉尻」と「目尻」の違い
「目尻」は「めじり」、または文語調で「まなじり」と読みます。目のこめかみ側の端を指します。
「目尻を下げる」は「眉尻を下げる」と一文字しか違いませんが、意味は正反対。嬉しそうな顔をする、にやけた顔をすることを指す言葉です。
- 初孫が遊びに来て、祖父母は目尻を下げて歓迎している。
- 見目麗しい女性陣に囲まれて、彼はすっかり目尻を下げている。
「眉」を含む表現
眉毛の動きは感情表現の読み取りにおいて、際立った働きをします。目の近くにあり、また動きも大きいからです。「眉」の語を使った感情の表現をご紹介しましょう。
心配・不快を表す言葉
「眉尻を下げる」の類語です。眉尻が下がっているような時には眉根は寄っているものですから、眉のどこに注目するかで多彩な表現があります。
- 眉が曇る・眉を曇らせる
- 眉をしかめる
- 眉を顰(ひそ)める
- 眉を寄せる
- 眉根を寄せる
怒りを表す言葉
「目を吊り上げる」というとおり、イラストなどで、顔の外側が高く、中央に向かって下がっていく形の三角形で怒り顔の目が描かれることがありますね。「眉」も目の動きに伴って、怒った時には眉尻が上がることから、怒りの表情を表す言葉にも用いられます。
- 眉を吊り上げる
- 眉尻を吊り上げる
安堵を表す言葉
心配や不快の表情とは逆の表情を表す「眉」を使った言葉もあります。安堵した時の表情はリラックスして眉根が開いているものですよね。
- 眉を開く (心配事がなくなり、安堵する)
- 愁眉(しゅうび)を開く (心配事がなくなり、安堵する)
表情を表す言葉
上でご説明してきたように、「眉」には様々な表情が浮かび上がることから、顔全体の提喩としても用いられます。
- 眉一つ動かさない (全く表情が変わらないこと)
- 眉を読む (表情を読む)