「頭が下がる」とは?意味や使い方をご紹介

常日頃からお世話になっている人には自然と頭が下がるものです。ところでこの「頭が下がる」がどんな意味なのかみなさんご存じですよね?今回は、普段からよく使われる「頭が下がる」の意味や使い方、例文、さらには関連語などを紹介します。

目次

  1. 「頭が下がる」の意味
  2. 「頭が下がる」の使い方
  3. 「頭が下がる」の例文
  4. 「頭が下がる」の関連語

「頭が下がる」の意味

「頭が下がる」は「頭が下がる思いです」のように使われる、動作や感情を表す慣用句です。自発的にお辞儀をするということですが、細かく分けると二つの意味があります。それぞれ紹介しましょう。

「真似のできないこと」をしている相手を尊敬する

「頭が下がる」の一つ目の意味は、自分が真似できないような優れた行動をとる相手を尊敬することです。尊敬している人に敬意を表すために礼やお辞儀をしますよね?ここでの「頭が下がる」とはまさにお辞儀をしているのです。

自分にはそんなことはできない、これには負けたと率直に認め、相手に対する敬意を表現するときに使います。別の言葉で言えば「脱帽する」が近いでしょう。

「ほめられるべきこと」をしている相手に感心する

「頭が下がる」の二つ目の意味は、人として褒められるような行動に感謝、感心することです。誰かがしなければならないことを率先してやっていたり、陰で努力していたりする人に使います。

感謝という意味では、自分が恩を感じている時、配慮や援助を受けた時などに使います。「ありがとうございます」とお礼を口にするときにお辞儀をする、この動作を言語化した言葉です。

「頭が下がる」の使い方

「頭が下がる」はお辞儀をするような場面であれば大抵は使うことができます。例外は挨拶の時と目上の人が相手の時です。

挨拶の時など特別な気持ちがこもっていない時には「頭を下げる」と表現します。「頭が下がる」は意図しないでも自然と頭が下がる、自発的な礼です。「頭を下げる」なら意識的に行動しているわけで、ニュートラルな表現と言えます。

目上の人に、「頭が下がる」という言葉を使うことは失礼であるという意見があります。意味として取り上げた「感心する」という言葉も、本来は目下の人に向けて使う言葉です。目上の人には「尊敬する」「敬服する」が適切な表現です。

「頭が下がる」の例文

  • 今回ばかりは駄目だと思ったが、彼の機転で助かったよ。本当に頭が下がる。
  • 彼女はどんなに忙しくても決して泣き言を言わないし、笑顔を崩さない。そういうところには本当に頭が下がる思いだ。
  • これまでにいくつも作品を見てきたが、ここまで優れた作品はそうはない。同じ作り手として、苦労と努力を思えば自然と頭が下がる。

「頭が下がる」の関連語

「頭が上がらない」

「頭が下がる」と似た言葉に「頭が上がらない」があります。「下がる」と「上がらない」で同じ意味のようにも見えますね。ところが、この二つはまるで意味が変わってくるのです。

「頭が上がらない」とは相手と自分を対等に扱うのがはばかられる、負い目や引け目、恩を感じて自分を卑下することです。借りがある相手のことは無下にできず、敬意を払わざるを得ません。こういったお辞儀をしなければならない状況が「頭が上がらない」です。

「足を向けて寝られない」という慣用句があります。感謝や尊敬、恩義から相手をないがしろにできないという意味の言葉です。「頭が上がらない」も同じような意味を持っています。

「実るほど首を垂れる稲穂かな」

「頭が下がる」に関連したことわざに「実るほど首を垂れる稲穂かな」というものがあります。年を取った人ほど、経験を重ねた人ほど、謙虚で人に頭を下げるという意味です。稲穂とはお米のイネのことで、成熟するほど先端が重くなり、逆Uの字を描く様子をお辞儀する人にたとえています。

このことわざでは頭を下げることを謙虚な人の特徴としてとらえています。一方、「頭が下がる」は頭を下げる人の性格よりも、理由となる出来事や対象にスポットを当てた言葉です。

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