「飽くなき探求心」とは?
「飽くなき探求心(あくなきたんきゅうしん)」の意味を分かりやすくお伝えするために、「飽くなき」と「探求心」を項目別に解説していきます。
「飽くなき」とは?
そもそも、「飽きる」とはどういう意味か、を考えてみましょう。「飽きる」とは、なにかをやり続けることへの興味を失ったり、嫌になってしまうことです。
したがって、その否定形である「飽くなき」は、常に対象への興味を失うことなく、やり続けること、を意味します。
「探求心」とは?
まずは「探求」から解説いたします。「探究」という、大変紛らわしい同音異義語がありますが、「飽くなき探求心」であることに注意しましょう。
「探求」とは、あるものを得るために、探し求めることという意味です。「探究心」とは、そのような心のありかたを示します。つまり、「飽くなき探究心」とは、大いなる情熱をもって、飽きることなく何かを追究し探し求める心のありかた、を意味する言葉なのです。
ちなみに、「探究」のほうは、ものごとの本質などを探り、見究め、明らかにしようとすることです。
世界で一番美味しいラーメンを食べようと思ったとき、世界中を巡って名店を探すのが「探求」、自らダシ、麺、具についての研究を重ねて究極の一杯を作り出そうとするのが「探究」という感じですね。
「飽くなき探求心」の使い方
「飽くなき探求心」のありかた
「飽くなき探求心」のありかたは、大きくわけて二つです。どちらも、そのような心のありかたが、過去から今にいたるまで継続している点に留意してください。「飽くなき」という意味のなかに、ずっと続いているという意味が含まれているからです。
一つ目は、仕事なら仕事、趣味なら趣味に、対象をしぼって探求をし続ける態度です。結果として、仕事においては有能であると評価され、趣味であれば玄人はだしになる人も多いでしょう。
とはいえ、「飽くなき探求心」は、本来はその結果には関係をもたない、単なる心のありかたです。つまり、どんなに探求心があろうと、それを結果に生かせない場合もあります。
二つ目のありかたは、対象を特定の分野に絞らずに、人生において何事においてもたゆみなく探求心をもつ心のありかたです。この場合は、「好奇心に溢れる」という表現に近いと言えますね。
「飽くなき探求心」の使い方
(A男)
鈴木部長は、若いころから飽くなき探求心の持ち主で、現場にいたころは休日返上で製品の性能を高める研究に没頭していたよ。
(B子)
飽くなき探求心で10年もドールハウスづくりを楽しんできたけど、腕は上がらずで、コンテストの予選に通過したこともないの。
(C男)
山田君の飽くなき探求心には感服するよ。アウトドアライフをきわめて、その分野のライターになったし、アマチュアバンドのドラマーとしても活躍しているんだからね。
(D課長)
小林君、君が飽くなき探求心で人生を楽しむのは結構だが、仕事がこんなにおろそかになるのは問題だよ。
「飽くなき探求心」の類語と使い方
好奇心旺盛
好奇心とは、未知の物事や事柄などに興味や関心を持つさまを表す言葉です。さまざまな物事に面白みを感じ、それについて更に知りたがる心のあり方である「好奇心」が極めてさかんな状態が「好奇心旺盛」です。
- 友人の三郎君は好奇心旺盛な男で、一緒に旅に出ると、彼のおかげで実に濃い体験の連続となる。
研究熱心
研究とは、物事を詳細に調べたり考察したりする行為です。「研究熱心」とは、そのような調査や考察への情熱が強い状態を表しています。
- 物理学の中村教授は実に研究熱心で、学生への講義の時間を忘れて研究室にこもっていた、などのエピソードに事欠かない。
「飽くなき探求心」まとめ
「飽くなき探求心」「好奇心旺盛」「研究熱心」などの言葉から感じ取られるのは、「生きる意欲」や「楽しみ」といったポジティブな感情です。
業務・責務といった外部からの圧力によるものではなく、自身のうちから湧いてくる情熱が、そのエネルギー源といえます。それに結果が伴えば、言うことはありません。
とはいえ、人生を生きるうえで最も大切なのは、前向きに、常にわくわくと物事に向き合える心のありかたそのものなのかも知れませんね。