「溺れる」の意味
「溺れる」は「おぼれる」と読み、水中で泳げず沈むこと、水中に落ちて死ぬこと、あるいは死にそうになることです。古くからある言葉で、源氏物語にも「物を思ひ立ちて、さる水に溺れけん」というシーンがあります。
また、水にはまって抜け出せなくなることから転じて、心を奪われる、夢中になる、という意味でも多く使われます。また、かつてはぼんやりするという意味もありましたが、現代では使われなくなりました。
「溺れる」の使い方
- 幼少の頃、海で溺れたことがある
- 賭け事に溺れて身を持ち崩す
- 酒に溺れる
「溺れる」の類語
「溺れる」の類語は「心奪われる」という意味で、耽る(ふける)、凝る(こる)、耽溺(たんでき)、惑溺(わくでき)などがあります。
「凝る」はコレクションや釣りなど趣味的なものに熱中することで、「溺れる」のように否定的なものではありません。
「耽る」は考えに耽る、読み耽る、酒色に耽るなどというように、周囲を省みないニュアンスがやや強くなり、「耽溺」「惑溺」は対象が酒や女遊びや賭け事など、好ましくないものにほぼ限定されます。
「溺れる者は藁をも掴む」という慣用句
「溺れる者は藁をも掴む(おぼれるものはわらをもつかむ)」は、非常に苦しんだり困ったりしている者は、どんなに頼りないものにでもすがろうとするという意味です。助けてもらう相手に対しては、相手を「藁も同然」と言うことになるので、たいへん失礼になります。
「溺れる」の英語
「溺れる」の英語は、drown(溺死する)、indulge 、be addicted(耽溺する)などがあります。
- 彼は湖で溺死した…He drowned in the lake.
- 溺れかけた人を助けた… He saved a drowning man.
- ギャンブルに溺れる…be addicted to gambling.
- 酒に溺れて暮らす…give oneself over to drinking.