燦々たるの意味
「燦々たる」の意味とは「きらきらと輝いて美しいさま」です。皆さんは「燦々」から何をイメージされますか。太陽の光をイメージされる人が圧倒的に多いのではないでしょうか。「燦々」とは太陽に限って使われる言葉ではありませんが、やはり「陽の光」を表現する場合が多いですね。「たる」とは、助動詞「たり」の連体形です。名詞・代名詞・数詞など体言を修飾する語形です。
「散々たる」や「惨憺たる」と聞き違えることが多いようです。発音が近いため間違いやすいのですが、意味も漢字も違うので注意して下さい。
燦々たるの使い方
- 燦々たる陽の光が降り注ぐ神々しい山の峰を見ると、つい拝みたくなる。
- 澄み切った夜空の燦々たる星に魅せられて、冬のキャンプは病みつきになるそうだ。
- 春の燦々たる太陽と桜の取り合わせはとても美しい。
燦々たるの類語
- 煌々と
- きらめく
- きらきらとした
燦とは
燦の読み方は
- サン
- あき(らか)
- あざ(やか)
- きら(めく)
漢字の成り立ち
「燦」の部首は火へんですが、火へんの付かない「粲」があります。「粲」は「燦」の繁文と言われるもので、意味は同じです。「粲粲たる」と表記することもあります。画数も多く、見た目も複雑な「燦」ですが、漢字の成り立ちも深い物語があります。
「粲⇒白く輝く精米から転じて、光り輝くこと」を表現しています。さらに米を取った上部分は、「𣦼:ガツ」と読みます。「食べ物の残骸」を意味しますが、現代の食べ物とは違い、獣などの肉を取り除いた後の骨のことを表しています。骨の白さと、精米の白さから光り輝くものを表すようになりました。
「晩餐」の「餐」は米が調理されて食卓に上がった状態の表現しています。このように、「粲」には、部首が変化している漢字がいくつかありますね。「澯」「殩」「璨」いずれも「サン」と読みます。複雑な漢字ですが成り立ちがわかると、理解しやすいかも知れません。
燦々たるのネーミング
- 燦々たる夢の天幕:ソーシャルゲーム「ドラガリアロスト」に登場するガチャの名前です。
- 燦々たる食卓:本タイトル
燦々のネーミング
「燦々」と聞いて何を思い浮かべますか。世代によって違いがあるかもしれません。昭和世代であれば圧倒的に「愛燦々」ではないでしょうか。小椋佳さん作詞作曲、美空ひばりさんが歌った名曲のタイトルですね。「愛燦々とこの身に降って」と歌い上げた美空ひばりさんの姿を、昭和の名曲などで観たことはありませんか。その後、数々のアーティストによりカバーされています。
2011年に斎藤工さんのメジャーデビューシングル「燦々」が発売されています。「燦」はあさのあつこさんの小説タイトルにもなりました。時代小説で、主人公の名前も「燦」です。3人の少年たちが成長する姿を描いたものです。少年たちの姿と「燦」の言葉はぴったりとはまったタイトルですね。
飲食店の屋号にも「燦々」「燦」はよく使われています。漢字の持つ意味から屋号に好まれるようです。
燦々たると聞き間違いやすい言葉
燦々たると聞き間違いやすい言葉は前述しましたが、より詳しくご紹介しておきます。
「錚々たる」「惨憺たる」「散々たる」などがあります。
錚々(そうそう)たる
- 金属や楽器の音が冴えて響くさま
- 多くのものの中で特に優れていること
惨憺(さんたん)たる
- いたましくて見るに忍びないさま
- なげかわしいこと
散々(さんざん)たる
「散々たる」は、本来の使われ方ではなく、いつの間にか定着した表現です。おそらく「惨憺たる」と「散々な」が混同したと考えられています。許容の範囲内のようですが、出来たら使わないほうがいいですね。「散々な」は事態が非常に悪いことです。「燦々たる」との誤用と併せて注意して下さいね。