「尽力を尽くす」とは?意味や使い方をご紹介

会社で上司から仕事を与えられた時などに口にすることの多い「尽力を尽くす」という言葉。しかし、正確な意味を理解している人は少ないのではないでしょうか。今回は「尽力」の指す意味を整理しながら、「尽力を尽くす」という言葉の意味と使い方を紹介していきます。

目次

  1. 「尽力を尽くす」の意味
  2. 「尽力」とは
  3. 「尽力を尽くす」の正しい使い方
  4. 「尽力を尽くす」の類語表現
  5. 「尽力を尽くす」の英語表現

「尽力を尽くす」の意味

「尽力を尽くす」とは、"最善を尽くす"という意味で一般に使われています。会社や学校などの社会生活の中で上司や立場上の者に仕事を任されたときに、普通に「やっておきます」と言うとあまり印象がよくありません。そんな時にこの「尽力を尽くす」という言葉を用いるのです。

「尽力」とは

ここに言う「尽力」とは、「あることのために力を尽くすこと、骨を折ること」という意味を持ちます。なお、力を尽くすといっても、中途半端な力の尽くし方ではありません。「みずからをなげうってそのもののために精一杯の働きをする」という意味が込められていますので、全力を尽くさなければならないのです。

「尽くす」を用いる他の言葉

「尽くす」という動詞は、ほかにも様々な言葉の中で用いられています。例えば「組織のために尽くす」や「社会の発展に尽くす」などです。これらの表現の場合、"力"という言葉は入っていませんが、どちらの"尽くす"にも"全力"という意味が込められています。

ことわざとして、「筆舌に尽くしがたい」という表現もあります。この表現は「言葉では十分に表現できない、言葉では尽くせない」といった意味があり、「感謝の気持ちは筆舌に尽くしがたい」というように使われます。この反対として、「言い尽くせる」となると、「十分に言える」といった意味を持ちます。

「尽力を尽くす」の正しい使い方

ここまで記してきた中で気づいた方もいるかもしれませんが、実は「尽力を尽くす」という表現は明らかに間違ったものとなっています。「尽力を尽くす」の中には「尽くす」という言葉が二回も入っているからです。これを日本語では"重複表現"といい、「頭痛が痛い」といった表現と同じものになります。

では、正しい使い方はどのようなものなのでしょうか。第一に、「尽力を尽くす」の重複表現をただ避けるだけの「尽力する」という表現とすることができます。これだけで「力を尽くす」という意味が込められていますので、重複もせず、正しい表現となります。

また、「尽力に努める」という表現も正しい表現となります。こちらは「尽力する」と言うよりも「努める」つまり「努力する」という言葉が入っている分、相手方からの印象も良いものとなります。

「尽力を尽くす」の類語表現

「尽力を尽くす」つまり「尽力する、尽力に努める」の類語表現としては、「全力を尽くす」や「骨を折る」「全身全霊を注ぐ」「全力を傾ける」といったような表現が挙げられます。すべての表現に「自分の持っている力を全て尽くす」という意味が込められているのです。

また、「努力」という意味を重視すると、「努力する」「研鑽する」「奮闘する」「奔走する」といった言葉を挙げることができます。こちらは「自分の持っている力を全て尽くすために努力する」という意味が込められていますので、話し手の心意気が相手に伝わりやすい表現です。

「尽力を尽くす」の英語表現

「尽力する」という言葉を英語に訳すと、"strive"や"make an effort"という表現になります。どちらも「努力する」「奮闘する」「骨を折る」という意味が込められており、例えば"strive to improve working conditions"(労働環境を改善しようと尽力する)、"make every effort for the disaster-stricken area"(被災地の復興に尽力する)といったように用いられます。


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