「狐の嫁入り」とは?意味や使い方を由来を含めてご紹介

空が晴れているのに雨が降っていたり、夜間、提灯の群れのような無数の怪しげな明かりを見たりしたことはありますか?それらの怪異は狐の嫁入りと呼ばれています。これらの現象がなぜ狐の嫁入りと呼ばれるのか、由来もあわせてご紹介します。

目次

  1. 「狐の嫁入り」の意味
  2. 怪火としての「狐の嫁入り」
  3. 天気雨としての「狐の嫁入り」
  4. 狐は特別な存在
  5. 「狐の嫁入り」をモチーフにした行事・作品

「狐の嫁入り」の意味

「狐の嫁入り」は、日本の本州・四国・九州などで使用されている言葉で、主に2つの現象を示します。一つ目は夜間、無数の怪火(かいか)が嫁入り行列の提灯のように現れる現象を指します。二つ目は、「空が晴れて日が照っているのに雨が降ること(いわゆる天気雨)」という現象を指します。

また、古典の怪談や随筆、伝説で語られるような「異様な嫁入り行列」も、「狐の嫁入り」と呼ばれているものがあります。現代では二つ目の天気雨の状態を指して「狐の嫁入り」ということがほとんどです。

怪火としての「狐の嫁入り」

そもそも怪火とは?

怪火とは、原因不明の火や火のように見える現象をいい、日本では、人魂、鬼火、狐火、不知火などと呼ばれているものが怪火にあたります。原因や理屈が分からないためにそう呼ばれていますが、近年では自然現象などで説明がつくものもあるようです。

「狐の嫁入り」と呼ばれる怪火は、提灯を持った人の行列が長い距離にわたって続いているように見えます。原因は諸説ありますが、土の中に含まれるリンの成分が発光しているという説や、農村地域で行われる虫送りの火を誤認したものという説があります。

由来

昭和中期ごろの日本では、結婚式などのお祝いの際には、夕刻、多くの人が提灯を持ち、行列を作って花嫁を迎えに行くという風習があり、「提灯行列」「嫁入り行列」などと呼ばれていました。

しかし、灯りがたくさん連なり、嫁入り行列をしているように見えるのに、実際にはどこの家にも嫁入りがなかったり、遠くからは確かに火のように見えるのに近づいてみると何もなかったりということがあり、それを昔の人は狐に化かされているのだと考えました。そして、このような怪火が無数に連なる現象を「狐の嫁入り」と呼ぶようになったようです。

使い方

街灯が増えた現在では、怪火としての「狐の嫁入り」はあまり見られなくなっており、使う機会はほとんどなく、認知度もそれほど高くありません。

しかし、もしも夜、遠くにぼんやりと提灯行列のような長く伸びる灯りが見えたら、それは狐の嫁入りと呼ばれる不思議な現象かもしれません。

別名

狐の嫁入りに関する言い伝えは各地で伝わっています。また、地方によって呼び方が異なり、「狐の婚」「狐の嫁取り」「狐の祝言(しゅうげん)」と呼ぶ地域もあります。

天気雨としての「狐の嫁入り」

由来

天気雨の時には狐が行列を作って嫁入りをすると信じられており、山の上で嫁入り行列を作る狐が人目につかないように雨を降らせているという説があります。また、人間の女性に化けて人間の青年に嫁入りした狐が、実は生贄にするために騙されており、その狐の花嫁の涙が雨となって降っているという説もあります。

使い方

空が晴れて日が照っている天気雨の際に使用します。地方によっては、虹が出たときや霰(あられ)が降った際に限定して使用する地域もあります。

例)
「晴れているのに急に雨がパラパラ降り出してきた。狐の嫁入りかな」
「狐の嫁入りできれいな虹が見えた!」
というように使用することができます。

別名

天気雨に関する「狐の嫁入り」も各地で伝わっており、最もメジャーな「狐の嫁入り」のほかに「狐の嫁取り」「狐雨」「狐の祝言」「狐の嫁取り雨」などと呼ばれ、地域で呼び方に差があります。

狐は特別な存在

日本人にとって、狐は昔から特別な存在とされてきました。前述の通り、人を化かす不思議な力があると言い伝えられており、説明できないような不可思議な現象は狐の仕業と考えられてきたようです。

また、稲荷神社に狐の像が置かれていることが多いのは、狐が農耕の神様である稲荷神(いなりのかみ)の使いであると考えられているためです。理由は諸説ありますが、狐が穀物を荒らすネズミを捕まえることや、毛の色や尻尾の形が実った稲穂に似ているためと言われています。

狐が稲荷神の使いであることから、「狐の嫁入り」は怪火・天気雨ともに豊作の吉兆と考えられています。

「狐の嫁入り」をモチーフにした行事・作品

行事

新潟県の津川地区では毎年5月3日に狐の嫁入り行列という観光イベントが行われます。これは同県の麒麟山で怪火がよくみられたということに由来しており、狐のメイクを施した花嫁行列が会津街道を練り歩きます。

山口県の花岡福徳稲荷社でも、豊作祈願の稲穂祭の中できつねの嫁入りが行われます。同神社で祀られている白い狐の夫婦の結婚式が再現され、新婦役の女性は良縁に恵まれると言われています。

作品

日本人の狐に関する特別な感情やその不思議さから、「狐の嫁入り」をモチーフにした作品やキャラクターは数多く存在しています。

・映画「夢」黒澤明
オムニバス形式のなかの「日照り雨」のチャプターは、狐の嫁入りをモチーフにしています。

・漫画「百鬼夜行抄」今市子
基本的に一話完結のストーリーの一つに、「狐の嫁入り」をモチーフにしたお話があります。

・漫画「狐の嫁入り」ちより
狐の青年と人間の少女の切ないラブストーリーを描いたお話です。

・ボーカロイド楽曲「狐の嫁入り」-MASA Works DESIGN-
全体的に怖い雰囲気ですが、スピード感があり中毒性のあるかっこいい曲です。

・キャラクター「狐の花嫁 ジュン」モンスターストライク
イベントクエスト「婚々!嫁入り狐の大披露宴」で入手できる限定キャラクターです。


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