「大船に乗ったつもりで」の意味
「大船に乗ったつもりで」(おおぶねにのったつもりで)とは、頼れる人や物、しっかりした基盤があって安心したような気持ちでという意味です。
「大船」は、少々の波が来ても壊れないくらい大きさのしっかりした船のことです。自分が頼っても大丈夫なくらいしっかりした人、物、団体の例えとして、大きい船が使われています。
「つもり」は漢字で「積もり」と表記し、そうなったと仮定して実現した気持ちになっているさまを表しています。
「大船に乗ったつもりで」の使い方
「大船に乗ったつもりで」は、頼れる人や団体、自分を支持する基盤などの味方の存在があって、十分に安心できる、心強く思えることを表せます。
それだけでなく、万が一何事かあったとしても設備や装備がしっかりしていて安心できる状況であることも示せるでしょう。また、「大船に乗ったつもりで」を使い、相手に「安心してほしい」「心配せずに過ごしてほしい」と伝えられます。
「大船に乗ったつもりで」の例文
- Aさんが味方をしてくれるので、大船に乗ったつもりでいられる。
- B先生には強力な後援者がいて、選挙でも大船に乗ったつもりで安泰なようだ。
- 免震構造のマンションですので、災害があっても大船に乗ったつもりでいられます。
- 大丈夫、私がついている。Cちゃんは大船に乗ったつもりでいてね。
「大船に乗ったつもりで」似ている表現
枕を高くする・枕を高くして寝る
「枕を高くする」や「枕を高くして寝る」は、心配事なく暮らせる、何事もなく安心して寝られることを言います。何らかのトラブルが解消して安心できるようになった時に使われる場合があります。
これらの成句は中国の歴史書『史記(しき)』が由来です。戦場では敵の夜襲に備えて、音が聞こえるようにえびら(矢を入れる容器)を枕代わりにしていました。戦いが無いときには、枕をして頭を高くして安心して寝られるところから来ています。
【例文】
- 借金を返済できたので、枕を高くして過ごせる。
- 鍵を付け替えて、枕を高くして寝られそうだ。
「大船に乗ったつもりで」反対に近い表現
泥船に乗ったつもりで
「泥船に乗る」とは、崩れそうな不安定な団体や物に頼っている状況を表しています。主に、ブラック企業などに知らずに就職してしまい、大変な思いをして働いている様子などを表現する時に使われます。
この場合の「泥船」は、童話の『かちかち山』のたぬきが乗った崩れやすい泥で作られた船から由来しています。
「泥船に乗ったつもりで」というと、ブラックジョークでふざけて使われる例もあります。新入社員を迎えた時のスピーチや歓迎会などで、自社を自虐的に表現する際に用いる例もありますね。
【例文】
- 新社会人のみなさん、泥船に乗ったようなつもりで会社に来てくださいね。これ以上悪くなりようはないので、かえって安心ですよ。