「切に願う」とは?意味や使い方をご紹介

「切に願う」は、挨拶やスピーチの中で使われたり、歌詞にも見られたりする表現でしょう。「切」は、「願う」気持ちをさらに強める意で用いられています。今回は、「切に願う」の意味や使い方、類語、「切」を使った言葉などについてご紹介します。

目次

  1. 「切に願う」とは
  2. 「切に願う」の使い方
  3. 「切に願う」の類語
  4. 「切」を含む熟語

「切に願う」とは

「切に願う」とは、「こうあってほしい、こうなってほしいと、心から強く考え、思う」ことです。「○○さんの成功を切に願うものであります」といった形で、式典の挨拶などで聞いたことがあるかもしれません。

「切に」は副詞で、「心から。しきりに。ひたすら。」という意味があります。「切に祈る」などの使い方もありますね。

他方、「願う」は、多義的な言葉ですが、ここでは「望みが叶うように願い求める」という意味で用いられています。「切に」を伴うことで、いつわりなく本心から強く「願う」気持ちが強調されていると言えるでしょう。

「切に願う」の使い方

「切に願う」は、自分の願望を述べた後に、「~を切に願う」と続けることが一般的です。とはいえ、「寝たい」とか「お菓子が食べたい」といった日常の小さな望みに使うと、仰々しい感じを与えてしまうかもしれません。どちらかといえば、規模感の大きい願いに使われるでしょう。

挨拶などでも用いることがありますが、結婚式において「切」は忌み言葉とされていることから、避けたほうが無難です。

例文

  • 地元の人々は、豪雨で損壊してしまった神社の再建を切に願っている
  • 三度目の挑戦となる試験だったので、今回こそ合格していてほしいと切に願う
  • 火星探査機の打ち上げが無事に成功するよう切に願う
  • 社員諸君のさらなる活躍を切に願います。(※式典などで)

「切に願う」の類語

「熱望する」

「熱望する」とは、「心から熱心に願い望むこと」という意味です。「心の奥底から願うさま」が「切に願う」と似ていますが、こちらのほうが情熱的な印象があるでしょう。

[例文]

  • 両国の友好を熱望する。
  • 災害からの復興を熱望する。

「渇望する」

「渇望する」とは、「のどが渇いて水を欲するように、手に入れたいと強く望むこと」です。何かの実現を望む、という部分は「切に願う」と共通していますが、「手に入れたい」という部分に重きが置かれており、ややニュアンスが異なります。

[例文]

  • 地元は水害に強い堤防を渇望しています。
  • 我が社は、世界進出を実現できる優秀な人材を渇望しています。

「希求する」

「希求する」とは、「強く願い求め、欲すること」という意味です。「~を希求する」と用いられることが多いでしょう。具体的な何かというよりは、「平和」などの抽象的なものに対して使われる傾向にあります。

[例文]

  • 式典では、世界平和を希求するメッセージが発表された。
  • ウイルスの脅威におびえる人々は、安心して暮らせる未来を希求している。

「切」を含む熟語

「切」という字からは、まず「切る」とか「切り裂く」といった意味を思い浮かべるかもしれません。しかし、実はさまざまな意味がある漢字です。ここでは、「切る」以外の意味で用いられている熟語をご紹介します。

「親切」

「親切」とは、「相手の身になり、思いやりを持って接すること。配慮の行き届いていること」です。ここでの「切」は、「丁寧、ねんごろ」という意味があります。

[例文]

  • 旅先で道に迷っていたら、親切な人が宿までの道のりを教えてくれた。
  • 案内所で仕事をする際は、忙しいときも親切な対応を心がけている。

「一切合切」

「一切合切」とは、「残らずすべて」ということです。「すべて、一様に」という意味で「切」が用いられ、「一切」と「合切」どちらも、「全部、なにもかも」ということを表します。似た意味を重ねて強調した四字熟語です。

[例文]

  • 盗賊は宝物を一切合切もっていきました。
  • 私は、天災により一切合切を失ってしまった。

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