「辞さない」とは?意味や使い方を例文を含めてご紹介

「辞さない」は、持って回ったような言い回しですが、新聞やニュースには頻繁に登場する言葉です。強い決意を表明する言葉であり、他者や周囲に自分の意志を伝えるための効果的な表現です。今回は、「辞さない」の意味と使い方を例文や類語を含めてご紹介します。

目次

  1. 「辞さない」とは?
  2. 「辞さない」の使い方
  3. 「水火も辞さない」とは
  4. 「辞さない」の類似表現

「辞さない」とは?

「辞さない」は、(じ・さない)と読み、強い意思をもって、あることをためらわず実行する、という意味をもちます。持って回ったような言い回しですが、それゆえに強いインパクトがあるでしょう。

「辞する」という動詞の未然形「辞さ」に打消しの助動詞「ない」(辞さ+ない)で構成されています。

「辞さない」の使い方

「辞さない」は、まず「何を」辞さないのか、を明確にしてはじめて成り立つ言い回しです。苦労や犠牲をともなうような難しいことがらを当てはめて用いることが一般的です。

その先に厳しい道が待ち受けていようとも、あえて受けてたつ、あえて乗り出していく。たとえ困難な状況になったとしても、それでも構わない、といった揺るぎない意思を表すことができます。

「~も辞さない」という言い回しもよく見られますが、これには「~ということさえも辞さない」というニュアンスがあります。

また、「~も辞さない覚悟」「~も辞さない決意」「~も辞さない構え」など、固い決心を示す言葉を伴うと、より強固なイメージを与えられるでしょう。全体を通して、やや攻撃的で挑発的な印象も感じられます。

文例

  • 身の潔白を晴らすために、退職も辞さず会社の上層部と闘うつもりだ。
  • 今回、自分に向けられた誹謗・中傷の一件一件に、訴訟も辞さない覚悟で対応していく。
  • 組織の解体さえ辞さない決意で、抜本的な改革をおこなっていく。
  • 各国首脳は、会議が紛糾することも辞さない構えで、討論に臨んだ。

「水火も辞さない」とは

「水火(すいか)も辞さない」は、強い意思を表明する「辞さない」の、究極のかたちともいえる言い回しです。慣用的に用いられていますから、こちらについても確認しておきましょう。

「火の中、水の底(中)」という言い回しを聞いたことがあるかもしれません。非常に苦しく困難な状況を、火の中や水の底にたとえた言葉です。

つまり「水火も辞さない」とは、水に溺れ、火に焼かれるほどの苦痛や危険もいとわず、力を尽くして物事を行う、という意味です。

「辞さない」の類似表現

「躊躇しない」の意味と使い方

「躊躇しない」は、(ちゅうちょ・しない)と読みます。行うべきか否かの判断に迷うことなく、即座に行動にうつす、ためらわない、という意味の言い回しです。~ことも躊躇しない、躊躇せず~をする、などのように用います。

【文例】

  • 今回の企画が却下されるなら、辞表を出すことも躊躇しない。
  • 怒りを爆発させたデモ隊は、躊躇せず商店の破壊行動を始めた。

「恐れない」の意味と使い方

「恐れない」(おそれない)は、心配したり、怖がったりしないことを表します。勇気をもって進んで事に当たる、とも言い換えられそうです。「辞さない」の類似表現としては、もっとも一般的な言い回しと考えられるでしょう。

一方で、「ひるむ・怖がる」というイメージがつきやすいためか、政治やビジネスの場ではあまり好まれない表現です。どちらかといえば、「辞さない」「躊躇しない」などのほうが積極的に用いられる傾向にあります。

【文例】他人から批判されることを恐れず、自分の思ったように行動し、自分軸で生きたいものだ。

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