「殺伐とした」とは?意味や使い方をご紹介

「殺伐とした」は、(さつばつとした)と読みます。「殺」という字を見るだけでも暗い空気が漂いますね。意味もネガティブではありますが、文字に等しい内容は現代では持たず、日常会話でも使われます。今回は「殺伐とした」の意味と使い方を類語を交えてご紹介します。

目次

  1. 「殺伐とした」とは?
  2. 「殺伐とした」の使い方
  3. 「殺伐とした」の類語

「殺伐とした」とは?

「殺伐とした」は、端的に言えば、荒んでとげとげしい、険悪な、という状態を表しますが、意味の幅が言葉です。「殺」「伐」の漢字からは、かなりネガティブな印象を抱くかもしれませんね。

荒々しくピリついた雰囲気、反目するような場面などは「殺伐とした」様子と表現できるでしょう。また、すさみ、うるおいや穏やかさがない状態、人気がなくさびれた状態などにも使えます。

意味を詳しく知るために、次項では「殺伐」という言葉について解説します。

「殺伐」の意味

「殺伐」は、大きくわけて3つの意味を持ちます。

  1. 人を殺すこと。
  2. 人を殺そうとするような雰囲気、殺気、荒々しさむごさが満ちているさま
  3. 温かみや穏やかさの感じられないさま。とげとげしいさま。

「殺」は多義的な漢字ですが、「殺伐」では「殺す」「伐」は、切る、討つ、殺す、といずれも命を取ることを表しています。

殺戮をイメージさせる物騒な言葉に感じられるかもしれませんが、1の「殺す」という意味は古い時代の使い方です。現代日本語においては、多くの場合2と3の意味で用いられています。

現代での使い方を考慮すると、「殺伐とした」は、真の「殺す」という意味からは離れたニュアンスを持つことがわかります。

「殺伐とした」の使い方

「殺伐とした」は、人の心や社会、環境などさまざまな状況に対して用いることができます。空気がピリついて、なんとなく嫌な雰囲気を味わったことがあるかもしれません。

また、ネットスラングとしても「殺伐とした」が使われます。掲示板やSNSに人が集まらない、投稿が少なくさびれている、そのようなケースに殺伐としたスレ」「殺伐としたタイムライン」などの言い回しが用いられます。

「殺伐とした」の文例

  • 殺伐とした戦地で、生き残った兵士たちは呆然と座り込んでいた。
  • 環境汚染で居住できなくなった町の映像を観て、殺伐とした気持ちになった。
  • 赤字続きの会社の株主総会は、殺伐とした空気が漂うものだ。
  • 嫁姑の仲が悪いので、帰宅しても家庭が殺伐とした空気でくつろげない。
  • 一時間で投稿がひとつという殺伐としたスレになりはてた。

「殺伐とした」の類語

「荒廃した」の意味と使い方

「荒廃した」(こうはいした)と読みます。土地、家屋などが荒れはてること、人の心などが荒れてすさむさまなどを意味します。「殺伐とした」のような対人的な敵意は含まれません。

【文例】

  • かつては活気があった商店街だが、近隣に大型のショッピングセンターができてすっかり荒廃してしまった。
  • 二度目の結婚に失敗したA子さんは、心が荒廃して最近は酒量が増えている。

「寒々しい」の意味と使い方

「寒々しい」(さむざむしい)と読みます。真から寒そうな様子、ひどく殺風景なありさま、などを表します。「殺伐とした」に含まれるような、穏やかさがない、人気がない、などの意味で類語たりえます。

【文例】

  • 停電が長引いて暖房器具も使えず、北向きの部屋は寒々しくてとてもいられなかった。
  • 子どもたちが次々巣立ち、夫婦二人きりになった家はなんとも寒々しかった。

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