「腑に落ちる」とは?意味や使い方をご紹介

みなさんは、「腑に落ちる」というフレーズを使ったことがあるでしょうか?むしろ、何かに納得がいかない時に「腑に落ちない」という言葉を使う機会の方が多いかもしれませんね。今回は、否定形ではない方の「腑に落ちる」の意味や使い方を紹介します。

目次

  1. 「腑に落ちる」とは
  2. 「腑に落ちる」の使い方
  3. 「腑に落ちる」の類語
  4. 内臓の名前を使った慣用句

「腑に落ちる」とは

「腑に落ちる」は、「納得する。合点する」という意味の慣用句です。次に、この言葉を構成する「腑」と「落ちる」について見ていきましょう。

「腑」の意味

「腑」とは、「はらわた。内臓」という体の一部分を表す他に、「心。心根」という意味をもっています。「腑に落ちる」という際の「腑」は後者、つまり、「心の奥底」という意味です。

「落ちる」の意味

「落ちる」の意味はたくさんありますが、大きく分けると次のようになります。

  1. 上から下へ移動すること。その場所からなくなること。(落下する。雨や雪が降る。ついていたものがとれる。減って細くなるなど)
  2. 物事の程度、価値が下がること。物事の終わりの状態に行き着くこと。(衰える。地位が下がる。落札する。陥るなど)
  3. 1、2以外(納得する。落第する。都から地方へ移るなど)

「腑に落ちる」の「落ちる」に相当するのは、3の中の「納得する」という意味です。

「腑に落ちる」の使い方

「腑に落ちる」の使い方は、単に理解できるということよりも、心からすんなりと理解できるさまを表現する際に使われます

【例文】

  • 彼は彼女の出生の秘密を知っって、彼女の言動が腑に落ちた。
  • 社長から解雇の本当の理由を聞いて腑に落ちた。
  • 彼女は腑に落ちるような説明をしないため、二人の溝が深まるばかりだ。
  • 警察から事件の真相を聞いてようやく腑に落ちた。

「腑に落ちる」の類語

「膝を打つ」

「膝を打つ」とは、「急に気付いたり、感心した時の動作」を表しています。納得する様子が瞬間的であるため、「腑に落ちる」のように「じんわりと理解する」というニュアンスとは若干違っています。

【例文】

  • 選手の好プレーに観客のほとんどが膝を打った。
  • 進路に悩んでいた時に先生からの助言を聞いて思わず膝を打った。

「腹落ちする」

「腹落ちする」(はらおちする)とは、「納得する。よくわかって承知する」ことを指します。「腑」の代わりに「腹」を用いたたとえ言葉で、意味も「腑に落ちる」と同じです。

【例文】

  • 社長から今後の社の経営方針を聞いて腹落ちした
  • 彼は子供達が腹落ちするように丁寧に説明した。

内臓の名前を使った慣用句

上で説明したように、「腑」には「内臓」という意味もありましたね。「腑に落ちる」のほかにも、内臓についての意味をもつ言葉を使った、「心」に関する例えがたくさんあります。その中からいくつか見ていきましょう。

「肝がすわる」

「肝がすわる」とは、「めったなことに驚かず、落ち着いている。度胸がある」という意味です。「肝」は肝臓のことで、「気力や精神力、要」という意味ももっています。「肝が据わる」とも表記します。

【例文】

  • 彼は肝がすわった人間だから、プレッシャーがあっても大丈夫だろう。
  • 今度来た新任の教師は若いながらも肝がすわっている

「心臓が強い」

「心臓が強い」とは、「厚かましい。ずうずうしい」、または、「物おじしない」という意味です。どちらにしても「どんなことにもめげないような気持ち」ということですね。

【例文】

  • 彼はどんなことにも動じない心臓が強い男だ。
  • 彼女は心臓が強いから、大勢の前でのスピーチも平気だろう。

「断腸の思い」

「断腸」とは、腸が引きちぎれるくらい悲しいことを指します。よって、「断腸の思い」とは、「はらわたがちぎれるくらい、とても悲しい気持ち」という意味です。

【例文】

  • 学校の休校延長を断腸の思いで決定した。
  • 平静を装っているが、彼女が断腸の思いをしているのは明白だ。

「腹を割る」

「腹を割る」とは、「本心を打ち明ける。心の中をすべてさらけ出す」ことを表しています。

【例文】

  • 長い年月が経って、ようやく彼と腹を割った話ができた。
  • 腹を割って話さなければ、信頼関係は築けない。

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