「思い違い」とは?
「思い違い」は(おもいちがい)と読みます。意味は、事実を間違って思い込んだり、理解したりすること。また、そのような事柄を指します。小さなことを含めれば、ほとんどの人が経験していることかもしれませんね。
「思い違い」のポイントは、当初は自分が思っていることが正しいと考えている点です。他者から誤りについて指摘される、または自分で気づいてはじめて、「思い違い」が発覚します。
「思い違い」の使い方
「思い違い」の使い方には、いくつかのポイントがあります。もっとも不自然なケースは、現在時制で、自分で自分の思い違いを述べることです。「私は~を思い違えています」と述べることはありえません。自分で気づかないからこそ、「思い違い」なのです。
自分のことを述べる場合、過去形で用いるのが自然です。「私は~を思い違えていた」のような表現は、ポピュラーな使い方と言えるでしょう。
他者の思い違いを指摘する場合は、現在形でも使えます。「あなたは~を思い違いしている」などと用いられます。
文例
- 昔の日記を読み返して、自分が友の好意を悪意に思い違いして怒っていたことに気づいた。
- 恋人がパクチー好きだと思い違いをしたあげく、大量のパクチーサラダを作ってしまった。
- 鈴木さん、今日は火曜日ですから、曜日を思い違いしていますよ。
「思い違い」の類語
「勘違い」
「勘違い」は(かんちがい)と読み、意味は「間違って思い込むこと」です。「思い違い」と同義ですから、言葉を入れかえて使っても差し支えないでしょう。
「勘」は、「勘がいい」「勘がさえる」などで使われるように、直感やインスピレーションというニュアンスもありますが、「勘違い」の「勘」においては、「考える」という意味で用いられています。このことから、考え違い、思い違い、ととらえることができます。
文例:デートの日を一日勘違いしていて、彼を一時間待たせた上に、着信にさえ気づかなかった。
「誤解」の意味と使い方
「誤解」とは、ある事実を誤って理解すること、相手の言葉の意味を間違って解釈すること、を意味します。「思い違い」や「勘違い」とまったく同じ使い方ができます。
文例:田中課長は仕事には厳しいが優しい人であるのにもかかわらず。私は冷たい人間だと誤解していた。
「思い違い」と「思い込み」の異なりについて
「思い違い」と「思い込み」は、よく似た言葉でありながら、異なるニュアンスがあります。「思い違い」とは上述したとおり「事実を間違って理解すること」ですね。
他方「思い込み」は、「強い確信を持って何かを信じること・強く心に思うこと」を表します。たとえ、「思い込んでいるもの」が誤った考えであったとしても、その人は深く信じ込んでいるのですから、そう簡単に揺らぐものではありません。
誤った「思い込み」を正す場合は、誤りである証拠などによってようやく納得する、といったイメージがあるかもしれません。
文例:祖父は、どんな場合でも身体にメスを入れるのは有害だと思い込んでいて、手術を頑として拒み続けている。