「羨望の眼差し」の意味とは?
「羨望の眼差し」は「せんぼうのまなざし」と読み、うらやましいという気持ちで対象の相手を見るときの視線を表す言葉です。
「羨望」と「眼差し」の2語から成りますから、まず、「羨望」と「眼差し」のそれぞれの持つ意味を押さえておきましょう。
「羨望」の意味とは?
「羨望」は、うらやましく思うことを表す熟語です。この熟語を構成する「羨」という漢字は、主に「うらやむ」「うらやましい」と読まれます。
ひとくちにうらやましいといっても、「嫉妬」に近いマイナスの感情を持った場合、「憧憬」に近いプラスの感情を持った場合、さらに、その両者が入り混じった感情が含まれる場合があります。
「眼差し」の意味とは?
古来より「目は口ほどに物を言う」と言われてきたように、人間の目にはよく感情が表れますね。「眼差し」は、対象に視線を向けるときの目の様子という意味です。
多くの場合、眼差しで見る・眼差しを向ける・眼差しを注ぐといった動詞的な言い回しで用いられます。また、「羨望の眼差し」の他にも、「驚きの眼差し」や「優しい眼差し」のような修飾語と組み合わせることもあります。
「羨望の眼差し」を含む例文
- 独り身の私としては、クリスマスイブの街角ですれ違うカップルたちに羨望の眼差しを向けることしかできなかった。
- ライバルたちを次々と鮮やかな一本勝ちで打ち破っていく先輩の姿に、柔道部の後輩部員たちは羨望の眼差しで応援している。
- トップアイドルの彼女は羨望の眼差しを受けることに慣れており、これといった反応を見せることもなく彼らの前を通り過ぎていく。
1はマイナスの要素、2の羨望はプラスの要素が強いでしょう。3は、人により感情がマイナスだったりプラスだったりするケースです。
「羨望の眼差し」の関連語とは?
「羨望の眼差し」の類義語
- 嫉視(しっし)…ねたみの気持ちで他人を見ること。
- 憧憬の念(しょうけいのねん)…あこがれの気持ち。
どちらの言葉においても、相手のことを自分よりも上に見ている点で共通しています。しかし、前者は「嫉妬(しっと)」というマイナスの気持ち、後者は「あこがれ」というプラスの気持ちを含む言葉です。
「羨望の眼差し」に対する言葉
- 軽蔑の眼差し(けいべつのまなざし)…相手のことを蔑む気持ちを持ったときの目つき。
- 蔑視(べっし)…相手をあなどって見下すこと。
「羨望の眼差し」が起因するものがマイナスの感情であれ、プラスの感情であれ、共通しているのは自分よりも相手を優れていると考えている点です。
よって、「羨望の眼差し」の反対の意味と言えるのは、相手を自分より下に見ている言葉でしょう。そこで、軽蔑や侮るといった意味を含む表現がそれに相当します。
「羨望の眼差し」を英語で表すと?
「うらやましい」ことを表す英語に「envy」という名詞・動詞があります。「羨望の眼差し」を英語で表現する場合には、この「envy」やその派生語を使った次のようなものが挙げられます。
- with envy(羨望の眼差しで)
- look enviously(羨望の眼差しで見る)
- draw envious stares(羨望の眼差しを受ける)