「物議を醸す」とは?意味や使い方を由来を含めてご紹介

世間にあれこれの議論を引き起こすことを「物議を醸す」といいます。国会議員の失言や不祥事がニュースになるたびに目にする言葉かもしれませんが、正しく読めるでしょうか。ここでは、「物議を醸す」の使い方や言葉の由来をご紹介します。

目次

  1. 「物議を醸す」とは
  2. 「物議を醸す」の使い方
  3. 「物議を醸す」の由来
  4. 「物議を醸す」の誤用

「物議を醸す」とは

「物議を醸す」(読み:ぶつぎ-を-かもす)とは、世間を騒がせ、さまざまな批評や議論を引き起こすという意味の慣用句です。

誰かの言動が世間の話題になり、それを人々があれやこれや論じ合うということを表現していて、どちらかと言うとマイナスのイメージを強く持ちます。

「物議を醸す」の使い方

  • ○○大臣の酒席での言動が物議を醸している。
  • 国会での失言が物議を醸すあの政治家が、次の選挙に立候補するそうだよ。
  • 会長の口から、物議を醸すような発言が飛び出した。

「物議を醸す」の由来

「物議」とは

「物議:ぶつぎ」とは、世間の人々の批評や議論・取り沙汰のことをいいます。単体で使われるよりも、ここで紹介している「物議を醸す」という慣用句や「物議騒然」といった熟語として使うことが多い言葉です。

「物議騒然」という四字熟語は、世間の噂や議論が騒がしく、落ち着かないさまを表しています。

「醸す」とは

「醸す:かもす」とは、次のような意味があります。
1. 米や麦に麹を加えて発酵させ、酒や醤油を作ること、醸造すること
2. 1の意味が転じて、ある事態や状態を作り出すこと

「物議を醸す」の「醸す」は2の意味合いです。何かをきっかけにして、議論が引き起こされていくさまを表現する言葉です。

「物議を醸す」の誤用

「物議を呼ぶ」

「物議を醸す」と似たような意味で使われる「議論を呼ぶ」という表現と混同して、誤って用いられることがあります。

「議論」は、ある事柄に関して自分の意見を論じ合うことで、この場合の「呼ぶ」は、集める・引き寄せる・引き起こすという意味合いになります。二つの言葉を合わせると「議論を引き起こす・巻き起こす」という意味になり、次のように使われます。

  • 現在の死刑制度のあり方が議論を呼んでいる。
  • 今回の判決が大いに議論を呼ぶ結果となった。

物議を醸し出す

「醸し出す」は雰囲気や感じをなんとなく自然に作り出すという意味です。「物議を醸す」の「醸す」と比べて、より穏やかでそれとなく雰囲気が生じる状態を言います。使い方としては、次のような文になります。

  • あの女優さんは、上品な雰囲気を醸し出している。
  • 優しい雰囲気を醸し出す少年。

誤用の例は、口に出すとより似通っているため混同しやすいですね。「物議を醸す」が本来の使い方ですので、「物議」は「醸す」ものと覚えてしまいましょう。
 

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