「ご助力」:意味
「ご助力(じょりょく)」とは、「力を貸してもらうことに対して、感謝を意味する敬語表現」です。
他人から支援や協力を受けた時、励ましてもらった時などに感謝の気持ちを伝える際に使われます。
「助力」の尊敬表現
「ご助力」は、「助力」という言葉に接頭語の「ご」をつけた語です。この「ご」は「御」とも表記され、相手に対する敬意を示す尊敬表現です。
そのため、ビジネスシーンによく使われる便利な言い回しの一つです。
「助力」:意味
「助力」とは「力を貸して助けること」です。他人を補佐して、事がうまく運ぶようにするということを意味しており、要は「手助けをする」という意味です。
「助力」だけの場合は、自分が他人を助けるという意味です。「ご」がつくと他人から助けてもらうことを意味し、相手から受ける協力の数々を総称して「ご助力」と表します。
「ご助力」:使い方
- このプロジェクトの成功のために、社員各位のご助力をお願いいたします。
- 多くの方々のご助力があってこそ、イベントを無事終えることができました。
- この度はご助力いただいたのにもかかわらず、このような結果となってしまい、大変申し訳ありません。
「ご助力」を使った言い回し
ご助力いただければ幸いです
「ご助力いただく」に、「幸いです」という言葉をつけることで、さらに相手の協力・助力に敬意を表す言葉になります。
この文章は「協力してください」という依頼の表現で、助力してもらう前のお願いとして使われるフレーズです。
【例】
- その知識と技術を、この開発に活かしていきたいと考えています。ご助力いただければ幸いです。
ご助力を仰ぐ
「仰ぐ」は(目上の人や尊敬する人に)教示や援助を求めるという意味で使われます。つまり、「ご助力を仰ぐ」で「目上の人に助けを求める」という意味です。
【例】
- 実は、この件について、〇〇様のご助力を仰ごうと思っておりました。
ご助力の賜物
「賜物(たまもの)」は「天や神からたまわったもの」「 他者から受けた恩恵」「よいことや試練などの結果与えられた成果」という意味があります。
ここでは「他者から受けた恩恵」という意味で使われます。「ご助力のおかげ」よりも硬い表現です。
【例】
- 当社は今年で10周年を迎えることができました。これも皆様のご助力の賜物と深く感謝いたします。
ご助力を賜る
「賜(たまわ)る」は「もらう」の謙譲語で、特にあらたまった時に用いられます。「頂く、頂戴する」と同じ意味です。
【例】
- 今後もご指導とご助力を賜りますよう、よろしくお願いいたします。
「助力」:使い方
「ご」がつかない「助力」の使い方についても見ておきましょう。
先述した通り、「助力」は、自分が誰かを助ける際に使います。「助けますよ」「力を貸しますよ」の代わりに「助力」という言葉を用います。
【例】
- そういうことであれば、ぜひ、助力させていただきます。
- この経験が、何かの助力となれば良いのですが。
- あなたの夢のためなら、助力を惜しまないよ。
「ご助力」:類語
ご尽力
「尽力(じんりょく)」は字の通り、「ある事をなすために、力を尽くすこと」という意味があります。
「尽くす」という言葉には、「全部出しつくす」という意味合いがあるので、相手に助けてもらうという意味で「ご尽力お願いします。」のように使うことは基本的にはありません。
自分が精一杯取り組む姿勢を表す場合には「尽力」を、大きな支援や協力をしてもらった相手に対しては「ご尽力」を使うと良いでしょう。
【例】
- 微力ではございますが、尽力させていただく所存でございます。
- 事業が成功したのも、皆様からの厚いご尽力の賜物と心よりお礼申し上げます。
お力添え
「力添え(ちからぞえ)」も「力を添える」という意から「助ける」という意味があります。カタカナ語でいえば、サポート、アシストなどがこれに当たります。
「助力」「尽力」は「お」をつけない場合は自分のことを表しますが、「力添え」は自分が他人を助ける場合にはほとんど使われません。
あくまでも「(ひとりでも何とかならなくはないが)力を添えてもらえばとても助かる」ようなニュアンスですので、基本的には、目上の方以外の友人や、後輩などからの助けに対して使われます。
【例】
- この開発に、ぜひお力添えいただければ幸いです。
- みんなの力添えのおかげで達成することができました。